4月の大田区長選挙に出馬表明した岡 高志でございます。
区議会議員としての任期満了も近づいてまして、最後の定例議会の真っただ中。所属する総務財政委員会には、蒲蒲線関連の補正予算案が付議されています。現職の松原忠義区長がゴーマンな姿勢で蒲蒲線を推し進めんとしてますので、反対を表明いたしました。以下、私の反対討論全文を掲載します。長文ですが、ご覧ください。
2018年度一般会計第4次補正予算は、約67億円の減額予算
増額計上される事業は、
10億円を新空港線整備資金積立基金
約6千万円を羽田空港対策積立基金
約7億円 国民健康保険への繰出金
認可保育所開設経費の増加約12億円
ブロック塀緊急対策工事 約1億円
おおむね30億円程度は増額計上される。
一方で、100億円近くが減額計上されたもの。
執行見込みの減少、契約差金などで余った100億円を年度末を待たずに減額しておき、決算での収支差を縮小しておく狙いが感じられる補正予算であります。
結局、今年度も100億円余ったことが確定的になったようで非常に残念です。
今回の補正予算は、蒲蒲線、新空港線整備資金積立基金への追加積立が中心的、あえて2018年度蒲蒲線補正予算と名付けます。
蒲蒲線整備の是非が我々議会に問われているものです。
過去には、2012年度に新規に、蒲蒲線、新空港線整備資金積立基金に積立をしているこれを2012年度蒲蒲線補正予算と名付けます。
新空港線整備資金積立基金への10億円計上については、新空港線蒲蒲線整備に向けた区の意気込みを表明する目的と先日答弁されています。
自治体が予算計上で意気込みを表明するというのは甚だ疑問である。
そうした精神論に、我々は付き合えません。
適切な計画を立てる、住民や議会に適切に説明をして合意形成するプロセスを重視するべきです
2017年11月のわが会派の代表質問では、
蒲蒲線のBenefit/Cost分析の詳細について質問しました。
利用者の時間短縮の便益のうち、大田区にとっての便益の比率はわかりますかとの質問に対して、
都と協議中なので答えない。との答弁でした。
議会に適切に説明しようという姿勢がなかったものである。
議会に適切に説明をすることもない中で、都との協議も2年間前に進んでおらず、何が問題になっているのかの説明もない。
おそらくは、都が十分に資金負担を約束してくれないのでありましょう。
そこにおいて、大田区が新空港線整備資金積立基金へ10億円計上して意気込みを表明するというのは、都が資金負担をしなくても、大田区で資金負担をして新空港線蒲蒲線の整備を進めていくという意思表明以外のなにものでもない。
松原忠義区長の意気込みの表明によって、大田区民に重い資金負担がのしかかる。このようにゴーマンな自治体経営は許されることではない。
さて、新空港線蒲蒲線の整備についての現状と区民の反応はどうであろうか。
JR東日本は、羽田空港から都心を結ぶ新線を2029年を目途に開業するとの計画を発表しています。
一方で、大田区が推進する蒲蒲線、当初は空港まで乗り入れる計画でしたが、縮小され東急矢口渡駅から地下に入り、京急蒲田駅の地下に新駅を作り、旅客は地上階で京急空港線に乗り換える、と言う間抜けな計画に成り下がってしまいます。
JRの計画によれば、羽田空港から東京駅が18分、新宿駅までが23分と、現状の京急利用での品川までの最速23分に比べて、圧倒的な速さです。
東急は蒲蒲線を使って、埼玉方面からの航空旅客を狙っているようですが、京急も東急もJRに惨敗でしょう。さらには、東海道貨物線は横浜方面にも伸びていますから、将来は川崎市殿町地区から横浜、小田原方面まで延伸が可能です。
大田区が推進する蒲蒲線の弱さが際立っています。多くの区民が蒲蒲線の未来に疑問を投げかけています。
それでも、松原区長が度々言われるように広域交通ネットワークの強化というのであれば、大田区ではなく、広域行政を担う東京都が第3セクターを設置して鉄道整備に当たるのがふさわしいと考える。そうして大田区の資金負担を最小化するべきである。
新空港線蒲蒲線が比較劣位な計画であることが明白になり、
大田区民にとって便益があることも説明されていない、
今般の松原忠義区長の意気込みの表明によって、大田区民に重い資金負担がのしかかる。
このようなことは許されることではない。
以上の理由で、今後は新空港線整備資金積立基金への積立に反対する。
大田区が主体となる新空港線蒲蒲線整備のための第3セクターの設立に反対する。
今回の2018年度蒲蒲線補正予算 案については反対!
残念ながら、自民・公明・民主の賛成多数で可決されてしまいました。しかしながら、強い反対の意見を表明いたしました。大田区民の資金負担が少なくなるように、引き続き意見してまいります。