第4定例会中の総務財政委員会
多くの議題がありますが、このブログでは、区長多選自粛条例の廃止議案の審議について書きます。
松原忠義 大田区長は11年前の初当選に際して、区長の多選の弊害打破を公約に掲げており、任期を3期12年までとする多選自粛条例を自ら提案して制定していました。
来年4月をもって3期12年の任期満了とるのですが、定例会初日4期目選挙への出馬表明を行うとともに、多選自粛条例を廃止する条例を議会に提出されました。
所管の総務財政委員会での審議採択をすることになりますが、
区長本人は、出席しません。
出席を求める意見もありましたが、自民党・公明党・国民民主党が反対。
実質的な審議が成り立たないまま、2日目の委員会で採決されました。
私 岡 高志の反対討論 全文を掲載
大田区長の在任期間に関する条例を廃止する条例、すなわち、多選自粛条例の廃止条例に反対するに際して、意見を申し述べます。
多選自粛条例を11年前に制定された際には
松原忠義区長は、区議、都議を期を重ねられて、区政の裏も表もわかるお立場で多選の弊害をとらえていらっしゃったわけで、多選の弊害の意図することの大きさを私も理解します。
であるにも関わらず、75歳をすぎて引退を選択しないで、4選出馬表明をされたのは非常に問題が大きい、おかしなことである。
今回は、多選自粛条例の廃止議案という形で区議会の賛否を問われている。
そもそも多選自粛規定は努力規定にすぎず、条例がそのままでも、4選出馬をすることはできる。
こうして、区議会の賛否を問うことも非常にオカシイ。
木曜日の本会議の場で、松原区長から多選自粛条例の廃止議案の質疑へ答弁があった。
多選自粛条例廃止の理由は、諸処熟慮に熟慮を重ねたと繰り返すばかりで、何をどう考えたのかは明らかにされない。たんに区長のイスにしがみつきたいという個人的な思いとしか受け止められません。
また、オキテ破りの4選出馬表明に際して、
今後、正念場の課題として、空港跡地整備、新空港線、中央防波堤埋立地の帰属問題をまず先におっしゃった。
跡地は区の計画に基づき民間事業者が主体となりすでに整備を進めるし、
空港線は、昨年度整備主体を設立する計画だったが動く気配がない。進捗が遅すぎるくらいです。
中央防波堤埋立地帰属問題も裁判所で争われてるわけで、もはや松原区長のリーダーシップを期待する段階でもない。
多選の弊害を防ぐ手立てについては、謙虚に誠実に対応すると繰り返すばかりでした。
私は、今期4年間で、4回代表質問をし、4回予算決算の特別委員会で総括質疑を行いました。それだけ、区長と議論を重ねた立場ですが、答弁は部下が用意した原稿を読み上げるようなものばかりで謙虚さ誠実さなど感じたことはありません。
大田区内のお祭りや宴会にせっせっと顔を出してニコニコしていることが、謙虚で誠実な対応だと考えている程度ならば、この大田区の経営者である資格はありません。
万が一、松原区長4選が実現された後に、謙虚で誠実な振る舞いなどあり得ません。
多選の弊害を防ぐ手立てのもうひとつとして、情報公開を進めるなど区民の声を聞くともおっしゃっていましたが、遅きに失しています。そんなことは、今までの3期12年で当たり前にやっていただきたかった。
情報公開が進んでいない。区民の声を集められていない。
これこそが、松原区政の課題である。
ICTを個人的に活用しているわけでもない松原区長がこれから充実させることができるわけでもない。情報公開を進めるなど区民の声を聞いていくのが正しい区政のあり方だと考えるならば、次世代の政治家に今回の任期満了を機に交代する環境を作るべきだろう。
本会議場での質疑でありましたが、多選自粛規定は努力規定でしかなく、松原区長が4選出馬にあたって廃止しなければならないものではありません。
区民の生活になんら影響のない多選自粛条例の廃止議案を可決する意義などないのであります。
これまで3会派の討論が終わって、多数が賛成で決まる流れである。
ここにすでに多選の弊害は発生している。
こんなおかしな多選自粛条例の廃止議案に議会多数が、区民の声を問う機会を満足に与えられることなく賛成せざるを得ない。
松原忠義区長が3期12年も区長を務められて、議会対策がうまくできていることの成果である。
オカシイ議案であっても議会を通すことができる。
住民不在の地方自治がここに存在している。
これこそが、多選の弊害であろう。
区長提案は全て賛成が当然ではなく、議会が反対・賛成というアクションをしながら、活発な議論でO+αリイノベーションを進めていく、そんな大田区政を希求して、本件多選自粛条例の廃止議案に反対する。
新聞報道では以下のように掲載されました。
都政新報 12/7付
「3期で引退せずに出馬すること自体がおかしな話で、おかしな議案を通せる状況そのものが多選の弊害」と主張した。
賛成多選で、多選自粛条例は廃止。12月7日の本会議へ。
自民党・公明党・国民民主党・共産党の賛成で、多選自粛条例が委員会を通過。
共産党の意見は、もともと多選自粛条例を作ることに反対していたので、廃止されることは歓迎できるとのこと。
考え方は、様々です。
12月7日の本会議で議決される予定です。