4月の大田区長選挙に出馬表明した岡 高志でございます。
児童虐待の悲劇が後をたちません。昨年夏には目黒で5歳の結愛ちゃん、今年1月には野田で10歳の心愛ちゃんが父親による暴力で亡くなられました。児童相談所がもう少し注意深く対応していれば、こうした悲劇は起こらなかったのではないか。
児童相談所の対応改善や自治体の支援の充実を検討してまいります。
都議会で子供への虐待防止条例が審議されてるタイミングです。条例の制定が必要なのかも検討してみます。
児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律、2000年)の解説から
- 【児童虐待の定義】保護者(もしくは同居人)による、児童への暴行、ネグレクト、著しい暴言、著しく拒絶的な対応、同居する配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。(2条)
- 【児童虐待の定義】保護者(もしくは同居人)による、児童への暴行、ネグレクト、著しい暴言、著しく拒絶的な対応、同居する配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。(2条)
- 【虐待の禁止】何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。(3条)
- 【国及び地方公共団体の責務等】児童虐待の予防及び早期発見、児童の保護及び自立の支援、児童虐待を行った保護者に対する親子の再統合の促進や里親制度への配慮。関係機関の連携など必要な体制の整備。
児童相談所の職員及び学校の教職員、児童福祉施設の職員など児童の福祉に職務上関係のある者が児童虐待を早期に発見し、児童虐待の防止に寄与できるような研修や人材の確保及び資質の向上を図る。児童虐待に係る広報・啓発活動、調査研究。(4条) - 児童相談所の職員及び学校の教職員、児童福祉施設の職員など児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待の早期発見に努めなければならない。(5条)
- 【児童虐待に係る通告】児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、市町村、福祉事務所、児童相談所に通告する。(6条)
- 【通告後の措置】市町村、福祉事務所は、児童に面会し、必要に応じて、児童相談所への送致、一時保護を行う。虐待が認められる時は、保護者へ出頭要求、立入調査、質問ができる。(8条・9条)
- 【保護者への指導】児童虐待を行った保護者への指導は、親子の再統合や里親制度への配慮の下に適切に行われなければならない。指導に従わないときは、児童の一時保護をすることができて、親権の停止を請求することができる。(11条)
- 【保護者への制限】面会、通信、引き渡し、学校など付近へのはいかい(12条)
- 【しつけ】親権者は、児童のしつけに際して、民法第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超えて当該児童を懲戒してはならない。(14条)
網羅的に規定されており、あとは自治体や現場の運用次第ではないかと思われます。
弁護士をおくように法律改正すべし、という意見もあるけど、すでに東京都の児童相談所全体で50人の非常勤もしくは協力弁護士をおいているそうです。
厚生労働省 児童相談所運営指針より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv-soudanjo-kai-zuhyou.html
東京都では、2019年第1回都議会定例会に東京都子供への虐待の防止等に関する条例が提出されています。
東京都子供への虐待の防止等に関する条例は、総則、虐待の未然防止、虐待の早期発見及び早期対応、虐待を受けた子供とその保護者への支援等、社会的養護等、人材育成等の全6章17条により構成されています。
わざわざ条例で定めるわりには、児童虐待防止法の範疇にとどまるものです。
条例で新たに規定されたこととして、都民と事業者への努力義務、妊産婦への健康診査受診努力義務、若年者に対して予期しない妊娠に至らないための啓発などがあります。
若年者への啓発は、都立高校を抱える東京都としてしっかりと取り組んでいただきたい。
一方で、条例に規定されることで、児童虐待防止が後退するように感じられることもあります。
前文で、「虐待を行ってはならないとしつつも、核家族化地域社会の人間関係の希薄化などを背景に家庭や地域社会における養育力が低下することにより保護者が子育てに困難を抱えその結果虐待行為に至ることがある事実も受け止めなければならない。」とありまして、
虐待も許容されるのか?と感じさせます。
まさに蛇足の一文。
また、児童虐待防止法で客体は、「児童」ですが、条例では、「子供」
「子供」という表現に、児童の人権尊重の思いは感じられるか?
よく、「子ども」という表記が使われますよね。
大田区の立場としては、これから児童相談所を設置するので、人材確保に努めるところです。条例15条で「人材育成が規定され、都は区市町村及び関係機関等における人材の育成を図るため専門的な知識及び技術も修得に資する研修等を実施するものとする。」とあるのみ。
引き続き人材育成は課題となりそうです。