一般質問 2018.11.29 (会派代表質問)

区議会_質問

区長多選の弊害を排しこれからもみんなが誇れる大田区をつくる

大田区議会 平成30年第4定例会 会派の代表質問を行いました。
答弁者は区長と教育長になります。

職員力の向上

私は、今年から大学院で学んでいます。東京大学大学院工学研究科で都市工学の修士号取得を目指しています。
他の自治体職員も在籍されていて、大学院で得た知見を業務に生かされており敬意を表します。
大田区でも職員の大学院通学を応援してはどうか。
若手職員に限らず、管理職層にも新しい知見を得る意義はあります。
職員は入庁後、昇任試験などで学ぶわけだが、法律科目とかペーパー上の一般常識など勉強するけど、地域社会に対応できる多様なスキルが身につくわけでないでしょう。職員の様々な学びを応援するべきです。

例えば、大学院の修士号取得で、昇任試験を免除するなどの応援策を導入してはいかがか?
23区共通の運用基準で実施しているので、区ではできない。

新規採用にあたっては、みな公務員試験というペーパー試験をパスしてくる統一的なスペックの人材ともいえる。職員のダイバーシティを重視するならば、公務員試験ルート以外で正規職員を採用してはどうでしょう。
例えば、オリンピック・パラリンピックに出た人は無試験・面接のみで区の正規職員になれるなどの検討もお願いしたい。

議員はある程度の年齢で引退します。
先輩がたが引退されるのはさみしい気持ちもあります。
先輩議員が前はこうだったよと諭してくれるのはありがたい。なぜならば事実だから、それに従える。
だから、若い区長であって歴史的なことを知らなかったとしても容易に補える。

区役所の組織は、基本的には、60歳以下の職員で構成される。
区長が歳を重ねていくことは、区役所組織との年代バランスに歪みが生じていくことになる。

組織経営における年代バランスをどうとらえるか?

区長は直接選挙で選ばれ、年齢の制限はありません。
年代バランスではなく、組織としての価値観の共有が重要である。

O+α Re-innovation

大田区のOにプラスアルファで O+αと書きました。
大田区の魅力を引き出すまちづくりを提案したい。

昨日の松原区長の冒頭ご挨拶で、
変化の時代において区政に求められていることは、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想を持ち、日々進歩する最新の技術や仕組みなどを、可能な限り施策推進に活かしていくことである。
とビジョンを示されました。私も共感いたします。

まちづくりにおいて、区役所のある蒲田周辺は少し変化が見られました。
京急蒲田駅西口は再開発組合が組織され駅前の高度利用がはかられました。
あすと商店街も街並み誘導型地区計画が導入されて、1階は商店・事務所に限定、セットバックによって歩行者空間も広がっています。引き続き進展するよう区はサポートしていただきたい。

京急蒲田駅東口は、第一京浜を隔てたバスロータリーがたいへん寂しい状況なのが目立ちます。
高密度な利用ができないだろうか。
ちょうど産業プラザPioが隣接しており、今後の大田区産業を盛り上げる拡張利用用地にふさわしいと思いませんか。

バスロータリーは、都市計画上、道路です。ただ、道路も移動手段のためだけでなく、憩いの場、空間としての活用が試されています。道路法に立体道路というのがありまして、道路の上に建物を建てることもできます。今年改正された都市再生特別措置法でもその適用対象は拡大してまして、都市の高密度利用の社会的要請があるといえます。

そこで、提案です。
京急蒲田駅東口のバスロータリーの上空に立体道路制度を活用して高密度利用を推進し、大田区の産業振興に資する施設整備を推し進めることを提案したい。そうやって蒲田地区のポテンシャルを引きだすまちづくりを進めてまいりましょう。

東京の玄関口として強い宿泊需要のある蒲田の高度利用として、駅前に今よりも質感のあるシティホテルを誘導してはどうか。立地誘導のための容積緩和を盛り込んだ総合設計制度を導入してはいかがか?

容積緩和の手法として総合設計などが活用できる。一方で、ホテルの誘導のみ優遇することは公平性の観点で問題があり、慎重に考える必要がある。

23区の他の自治体では、地区計画を積極的に活用しています。
千代田区には34の地区計画、中央区は16、世田谷区は63、面積が最大の大田区での地区計画が8つしかないのは、物足りない。少し話が戻りますが、京急蒲田駅あすと商店街における街並み誘導型地区計画は建物利用が1階が商店・事務所に限定して、0.5mセットバックをして容積率60%上乗せを行なっている。ややもすれば、マンションに建て替わってしまうかもしれない商店街の魅力向上のためのまちづくり策として評価できます。
今後、街並み誘導型地区計画を大田区の他の商店街に提案したらいいでしょう。

町工場が多く存在するのも大田区のまちの魅力です。
大田区産業振興基本戦略2009を読み返しますと、
準工業地域では創業環境の維持を図る。
工業専用地域・工業地域は用地再開発や産業支援施設整備により立地誘導を図るとしている。

大田区では、住居系地域に限らず、商業地域、準工業地域、工業系地域にまんべんなく住宅が立地する。大田区の個性と言ってしまえばそれまでですが、都市計画に沿わないかたちで住宅地化が無秩序に進んでいくのはいかがなものだろうか。産業のまちという個性があるにも関わらず、個性のない住宅地化していくのは、住民が望んだ結果なのだろうか。

準工業地域では、住工混在しており居住環境に課題があると言われる。改善されたとはいえ、騒音臭いの問題があり、運搬のトラックが引き起こす交通問題もある。
工業者もわかっているので、工場が郊外に移転したり、建て替えてマンションの地下に工場を入れるケースもある。そうやって民間ベースで工夫しながら生き残っている。
工業地域は用地再開発や産業支援施設整備により立地誘導を図るとしているが、住居が建築可能であるがゆえに工業の利便増進が図られていないのが実態である。
東京の不動産流通市場において、住宅系需要は潤沢に存在しているため、取引成立はスムーズで 準工業地域も工業地域も工場の移転・撤退の際には、住宅用途で売却されている。

20年も前になるけど、私は蒲田の銀行に勤務していまして、中小企業融資の実績を積み上げるべく地域の不動産業者が工場跡地で住宅開発する資金を融資したことがあります。そんなこともあってか、2002年に大田区で「工業地域・準工業地域における集団住宅等の建設に係わる事務処理基準」が作成されている。工業集積の維持・増進を目的のひとつとして、開発区域内に一定の貸工場を整備するよう業者に求めている。実効性はあまりない。

この20年の大田区の土地価格の推移をみますと工業専用地域の価格は必ずしもパフォーマンスは悪くないという実態があります。工場から住宅に移行するのが当然とするのではなく、工場から工場へと不動産取引は可能。

工業に特化したまちづくりを進めることも容易だと思います。

まちづくりの視点から、大田区が主導する製造業の競争力を引き出すための都市政策を提案します。
工場誘導型地区計画を導入してはいかがか。

産業政策の枠組みでは、工場立地の補助金制度もすでに存在しています。
現行の工場アパート立地助成を特定地区限定で拡充させる。
工場を撤退する場合には、区が買い上げて工場アパートやタネ地とする。

産業政策を総動員して、工業地域での工業の利便の増進を図ることに加えて、工場誘導型の地区計画を特に地域を限定して導入してはいかがか?

現状の住工混在の状況が大田区の特徴である。
工場誘導型の地区計画は検討しない。

70年も前に定めた都市計画にしばられるのではなく、大田区に必要な政策を都市計画に落とし込んで、その計画に基づいて前に進んでいることを示すのが、政治のアカウンタビリティーである。
都市計画道路は事業が完成すれば、交通の利便性が改善されます。
しかしながら、計画だけで事業実施されなければ、計画道路上の住民は堅固な建物が原則建てられないなど構造上の制約がある。

大田区の都市計画道路の整備率は23組最下位の水準だ。
環7・8、第一京浜、産業道路、中原街道といった幹線はできたが、戦後すぐの1940年代に計画された補助線が手付かず。地域的な道路であるから、区の主体性が求められる。折しも、都市計画道路の見直し方針を東京都が今年示している。概成道路における拡幅整備の有効性、交差部の交差方式等、計画重複等地域的な道路及び既存道路による代替可能性について計画内容を検討している。
この期に見直すことができる都市計画道路を見直して、整備率を改善してはどうでしょう。

変化の時代において区政に求められていることは、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想だと松原区長もわかっていらっしゃる。

3期12年も区長を務められて、大田区の都市計画道路の整備率は23組最下位という不名誉を甘受したいのでしょうか。
もしくは、昭和・平成の棚卸しとして都市計画道路を大幅に見直して次世代にバトンをつなぐことが賢明だと思います。

大田区における都市計画道路の見直し方針をお示しいただけますか?

区役所のICT活用とスマートワーク

大田区は大きな自治体なので、庁内LANにかかるシステム経費が膨大です。
電子計算事務費に係る実態調査を23区でやってまして、大田区の情報を入手しましたところ、ネットワーク維持に関する費用が顕著に増加しており、今年度は昨年度から倍増の2億円。
区民情報系基盤システムは単年度3.5億円の大型契約、統合運用管理業務委託も2.5億円の大型契約
内部情報系基盤システムも単年度で2から5億円の大型契約。情報システム汎用端末の契約も増加しています。

議員として、理解し難いのがこれだけのシステム発注をしながらも、個別案件として議会が議決することも委員会で報告されることもない。
しかもほとんどが随意契約であって、価格競争は機能していない。

大田区契約事務規則(見積書の提出)第43条によれば、
契約担当者等は、随意契約によろうとするときは、契約条項、その他見積に必要な事項を示して、なるべく2人以上から見積書を提出させなければならない。

区長ご自身はシステム契約の実態を把握しているのか。
ちゃんと複数の見積もりをとった上で契約しているのか?
また、個別にシステム投資の効果や意義について議会・区民に説明するつもりはないか?

区が定めるシステム調達委託ガイドラインに従い、公平性や競争性を担保した上で価格を考慮して適正なシステム調達を行っている。

実は、委託契約の決定権限は部長以下。委託契約案件が多くなった昨今、委託契約についても規定できる公契約条例の制定がまたれます。公契約条例の検討をよろしくお願いしたい。
システムは充実した上で、区民も手続きがインターネットで完結するようにしてほしい。

現状電子申請可能な手続は、児童手当関連、飼い犬の死亡届、窓口での受け取りが求められる税・住民票関連手続など10数の手続に限定される。
児童手当現況届、社会教育団体の申請など電子申請に馴染む手続は多い。

東京都の電子申請をもっと活用するべきではないか。その上で、電子署名やICカードリーダーなどを不要にして簡素化を図るべきです。
いかがでしょう?

行政手続きのオンライン化の徹底に取り組んでいる。今後も対象の拡充に努める。

もちろん、電子申請が苦手な人は従来通り窓口対応で、時間がかかってもきめ細かな対応をお願いします。

この10年でコンピュータシステムでデータをアップして電子署名をして決裁するシステムに変わってしまいました。データを共有保存することで案件の情報共有が容易になり便利なシステムです。

区行政でも電子決裁はとりいれていますが、その進捗をお知らせいただけますか?
現在、電子決裁率はほぼ100%

区長の多選自粛

松原区長はオキテ破りの4選出馬表明に際し
これまでの歩みを振り返り、今後取り組まなければならないことを熟考してきた。多くの区民の皆様から、私に対してここで立ち止まるべきではないとの声を頂いている。
私に対する大きな想いをひしひしと感じている。これら諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、私は引き続き区政に対し責任を果たすべきとの思いに立ち至った。
そのようなお言葉に強い違和感を覚えました。

私たち政治に携わる者は、公と私の峻別こそ己に問うべきである。
松原区長の昨日のご発言は、主語が「私」であることから見ても、論拠が極めて不明瞭といわざるをえない。
国家百年の計ならぬ、大田区百年の計を思う時、次世代へのスムーズな承継こそ首長にあった者の責任ではないのか?
松原区長の矜持をここに問いたい。

さて、区長は毎年資産公開を義務づけられていて公開しています。総務課に情報公開をお願いしたところ、3点不明瞭な点を見つけましたので、ひとつうかがいます。

区長はご自身の公約を翻し、オキテ破りの4選出馬表明をされており、人としての信頼感が揺らいでいる。

ご自身の資産形成について、区長ご自身の言葉でご説明いただきたい。

4年の任期終了ごとに区長は多額の退職金を受け取る。
過去2回退職金を受領されたが、資産公開の資産のところに退職金相当の金額が計上されていない。
このことをどう説明するのか、誠実にお答えいただきたい。

預貯金については、当座預金・普通預金は計上しなくて構わない。

昨日、松原区長はオキテ破りの4選出馬表明をこの場でされた。4年前は3選表明をやはり代表質問の答弁の場で行われたけど、そこで拍手が沸き起こっていました。そうした期待感や高揚感が見えなかったのが、今回のオキテ破りの4選出馬表明。
松原区長の12年間をおおむね評価していますが、次の4年間も松原区長でなければならない理由を感じない。

例えば、もしも、私 岡高志が区長だったならば、松原区長の12年の良いところをつないでさらに魅力的な大田区をつくっていけるだろうか。

私の力だけでなく、ここにおられる議員のみなさま、職員のみなさま、そして区民のみなさまのお知恵と情熱を集めていただければできます。
そして松原区長が区政に求められた、これまでの考え方にとらわれない柔軟な発想を持ち、日々進歩する最新の技術や仕組みなどを、可能な限り施策推進に活かしていくことができます。
いまさらながらICTの活用は民主主義を進化させます。より多くの区民の声を集めて分析して、全ての区民の思いを反映したみんなが誇れる大田区をつくることができます。

それでも、松原区長が4期目も区長にとどまらなければいけないと考える理由は何か?
諸処熟慮に熟慮を重ねた結果、次の世代にしっかりと引き継げる社会をつくることを優先したいという形です。

学校経営の向上

子どもたち一人一人へのきめ細やかサポートを含めた教育の質の向上が必要であり、施設整備に少しずつ光が当たってきました。
指導力の向上が次の課題であって、学力低位校には、優れた教員を重点配置するような即効性のある対応をお願いしたい。
学校ごとに自律的に指導力向上を目指すことも大切。

学校教育法施行規則にもとづき、各学校で作成する学校評価は、大田区では、学力向上、豊かな心、体力向上、教育環境、家庭地域との連携といった各分野の目標がどのように達成されるかを示している。学校におけるPDCAの有効なツールです。
残念ながら、各校の学校評価を見ると評価尺度がマチマチである上に、ロジックツリーもいまひとつ。
もっと分析的に作成してほしい。

学校現場で評価手法が確立できていないから、教育委員会で標準的な評価尺度を設定するべきだと思うが、いかがでしょうか?
校長による自立的な学校運営を促している。

学校のウェブサイトでの公開の状況もまちまちなので、しっかり公開されるように教育委員会の指導を求めます。
教育委員会の指導課は教員経験者で固められているが、
教員としてのセンスだけでは足りない。
教員指導、計画策定、学校経営のスキルはどのように養成していくのか。

教育長も就任されて1年になる。教育委員会として、学校経営をどう支援するべきと考えるか?
校長向けの研修を実施。
全校長に、学校経営のPDCAサイクルにもとづいて、年間4回ヒアリングを行っている。
年間30校の指導訪問を実施して、具体的に指導している。

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました