遺言書作成 コラム今回は、 遺言執行者 について解説いたします。 遺言書AI で作成する遺言書には自動的に小職が 遺言執行者 として記載されております。
遺言執行者 とは
遺言を書いた人は、自分が死亡したあとに遺言が正しく実行されるのを見届けることはできません。遺言者として、自分の思いの通りに遺言 が実現されるかどうかについて不安に思うものです。 そこで遺言者は、責任をもって遺言を実行する人として、 遺言執行者 を遺言書の中で指定できます。遺言執行人と言われることもありますが、法律では、遺言執行者として規定されています。
遺言執行者は、遺言を執行するために必要なことができ、相続人は遺言の執行を妨げることができないよう民法に定められています。遺言者の遺志を貫徹するために重要な役割を担います。
遺言執行者が指定されていなかった場合は、家庭裁判所は、申立てにより、遺言執行者を選任することができます。ただし、遺言執行者は、必ず選任しなければならないものではありません。
遺言執行者 は誰ができる?
遺言執行者は 未成年 、 破産者 以外であればどんな人でもなることができます。友人、知人、相続人から選ぶことも全く問題ありません。
しかし、遺言執行者は利害関係に関わることが多いので、トラブルに発展してしまうことも少なくありません。スムーズな遺産相続の手続を行うためには、遺産相続における利害関係者ではなく、相続に関する法律知識を持った専門家に依頼することが好ましいでしょう。 弁護士、行政書士、司法書士、信託銀行などが候補に上がります。それぞれ相続のエキスパートですので、相続手続がよりスムーズに、そして相続人同士の紛争防止が期待できるでしょう。
相続人の中から選びたいという事情があれば、実際に財産を相続する相続人を遺言執行者に指定しましょう。
遺言執行者 の実務
さて、遺言執行者はどのように手続を進めるのでしょうか。
就職通知書を送付
遺言書で遺言執行者に指定された者が実際に就職するかどうかは自由です。そのため、就職を承諾する場合には、このことを明らかにするため、就職を承諾する旨の通知書を相続人に対して送付します。
戸籍謄本を集めるなどして遺言者の相続人を確定することも必要です。
遺言書の写しの送付
遺言執行者は、遺言執行者に就職することを承諾したら、ただちに任務を開始するとともに、遺言の内容を相続人に通知しなければなりません。
通常、上記の就職通知書と併せて遺言書の写しを送付します。
相続財産目録を作成・交付
相続財産調査を経て、遺言執行者は、相続財産の目録を作成し、これを相続人に交付しなければなりません。
相続財産目録を作成するにあたっては、不動産権利証や預貯金通帳などの関係書類の所在確認・保管といった相続財産の管理を開始するとともに、不動産の全部事項証明書や預貯金の残高証明書を集めるなどして遺言者の相続財産を調査します。
遺言事項の執行
財産目録の作成後、あるいは作成に並行して、遺言の内容を実現する手続を進めます。具体的な手続は遺言の内容によって異なります。
遺言認知
遺言により子の認知をする場合、遺言執行者は、その就職の日から10日以内に認知の届け出をしなければなりません。具体的には、認知届出書に必要事項を記載のうえ、遺言書の謄本を添えて市区町村役場に提出します。
遺言による認知は遺言執行者しか行うことができません。もし、遺言書に子の認知が含まれているのに、遺言執行者が指定されていないような場合には、家庭裁判所に選任を申し立てることとなります。
遺言書AI で作成する遺言書には、認知のところまではカバーできておりません。個別にご相談いただいて遺言書を作成することとなります。
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推定相続人の廃除や取り消し
遺言執行者は、遅滞なく、その推定相続人の廃除や取り消しを家庭裁判所に請求しなければなりません。
遺言に推定相続人の廃除が含まれている場合、その手続は遺言執行者しか行うことができません。そのような場合には、家庭裁判所に選任を申し立てることとなります。
不動産や預金の遺贈
不動産の場合は、法務局に申請をして受遺者に登記を移転します。
預金の場合は、受遺者の意向や銀行の対応を考慮しながら、預金を解約して払い戻しを受けて受遺者に引き渡すか、 あるいは預金名義を受遺者に変更します。
遺言執行者 の 報酬
遺言執行者は、遺産相続における利害関係者ではなく、相続に関する法律知識を持った専門家に依頼することが好ましいでしょう。
専門家である遺言執行者には報酬が発生します。遺言書に報酬の記載があればその通りに従います。記載が無ければ遺言執行者が家庭裁判所に報酬付与の審判を申し立てて報酬額を決めてもらいます。
遺言執行や相続手続は行政書士にお任せください。
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