相続と聞くと、多くの方が「自宅や預貯金、株式」といった典型的な資産を思い浮かべるでしょう。ところが、実際の相続の現場では、本人以外が把握していない“見えない資産”が思わぬトラブルを生むことがあります。実際に、夫を亡くした方が遺産整理を進める中で、夫の趣味として集めていたカードゲームの レアカード が高額で取引されることが判明し、相続財産として課税対象となることもあります。
相続税申告の盲点：コレクションや趣味の資産
税務署への申告にあたっては、金融資産だけでなく、美術品・骨董品・コレクション品などもすべて対象となります。今回の事例のように、ネットオークションで高額取引されるカードや、著名アーティストの絵画、ビンテージ衣料など、一見ガラクタに見えるものが資産と認定されることもあるのです。
さらに、特許権や著作権などの無形財産、未回収の貸付金、暗号資産なども課税対象になります。特にデジタル資産は本人以外が存在を把握しにくいため、今後の相続では大きな混乱要因となることが予想されます。
相続トラブルを防ぐためのポイント
- 生前に財産目録を作成すること
趣味のコレクションやデジタル資産も含め、日頃から資産リストを作っておくと、遺族が混乱せずに済みます。 - 価値が分からない資産は専門家に相談
美術品や骨董品などは鑑定を依頼するのが安心です。 - 遺言書で明確に指定しておく
誰に何を相続させるのかを明記しておくことで、遺族間のトラブルを避けられます。
相続財産は「目に見えるもの」だけではありません。レアカード、ワイン、暗号資産といった趣味や投資の延長にある財産も、きちんと整理しておく必要があります。事前の準備が遺族の安心につながるのです。
遺言書作成 もAIの時代
相続対策の第一歩は、遺言書を用意しておくことです。
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