バリアフリー施策が推進されています@東京都大田区

まちづくりでバリアフリーを推進するといっても、建築家や都市計画家が認識していなければ実現は難しい。例えば、建築家に高齢者への配慮があれば、質のいい高齢者施設もできます。

障害者にとってのバリアは障害者本人ではなく社会の側にバリアがあるという社会モデルがあります。社会が障害者への差別をしないというのは、障害者への合理的配慮を示すことになる。建築家や都市計画家が障害者への合理的配慮を認識していることは、社会の側のバリアを取り除く力になります。

バリアフリー基本構想のある自治体はまだ2割程度です。
高齢者・障害者と身近に接する自治体こそは、社会の側のバリアを取り除く施策を検討するべきです。私の暮らす大田区では、バリアフリー基本構想が推進されています。

大田区でのバリアフリー施策の進展

大田区では、2011年に協議会を設置。大田区全体の方針を策定し、重点整備地区ごとに基本構想を策定して特定事業を設定した。

特定事業とは、移動等円滑化を実現するため、生活関連施設や生活関連経路等を対象に、行政、交通事業者、および、民間事業者が取り組む事業。各事業者には、事業計画の作成と、その事業計画に基づく事業の実施が、バリアフリー法において義務付けられている。

大田区移動等円滑化推進協議会

大田区移動等円滑化推進協議会のメンバーは、国の基本構想ガイドライン作りの座長などを務めてきた日本のバリアフリー研究の第一人者である髙橋儀平教授を委員長とし、学識経験者3名、障害者団体6名、区内団体4名、交通機関7名、警察署4名、国2名、都2名、区職員10名の計38名で構成。2011年1月が第1回会合。

方針策定、重点整備地区の決定、地区ごとの推進計画の策定を行った。

重点整備地区は、蒲田、大森、障碍者総合サポートセンター周辺地区。
ほかを点検整備地区(10 年来行われてきた区民との点検活動を盛り込んだもの)としている。

大田区移動等円滑化推進方針・大田区移動等円滑化推進計画

大田区移動等円滑化推進方針をまず策定し、その後、重点整備地区ごとに推進計画を策定。現状、3つの重点整備地区で推進計画を策定している。

大田区移動等円滑化推進計画(蒲田駅周辺地区)では、まち歩き点検や施設点検の結果から、利用者の意見を整理し、それに対応する課題を抽出。その課題をもとに、区民部会における改善案の検討と、事業者による対応策・実現性の検討を経て、特定事業を設定。

特定事業の目標年度は2015年度と2020年度。

大田区のバリアフリー推進評価

大田区の上位計画である基本計画の達成度評価報告が、2020年4月に公表されている。
それを基礎に大田区のバリアフリー推進を評価する。

施策「ユニバーサルデザインのまちづくりを進めます」に対して、下図のモノサシ指標で評価を行っている。「駅周辺のバリアフリー化が進んだと感じる区民の割合」は、平成25年の32.3%から上昇しており、目標値の40%を達成している。 協議会で選定した特定事業の設定とその実施が一定の成果に結びついたといえよう。

大田区移動等円滑化促進方針

2020年3月に、これまでの推進方針を発展させるた め、「大田区移動等円滑化促進方針 おおた街なか“すいすい”方針」が策定されました。

そこで示された蒲田駅周辺の実績は下図の通りです。

今後も当事者目線でのバリアフリーが進むことが期待されます。