危機管理~台風19号その2 JR新幹線車両センター、千曲川、長野

政治日記

台風19号における危機管理。 今回は、長野市千曲川のJR新幹線車両センターについてまとめます。

北陸新幹線車両センター浸水被害の概要

台風19号の影響で長野市内を流れる千曲川が氾濫したため、JR東日本の「長野新幹線車両センター」が浸水し、留め置いていた北陸新幹線の120両も水につかりました。被害は全車両の3分の1にのぼります。専門家は「最悪、廃車になるかもしれない」と話しています。
JR西日本の平成27年3月期の有価証券報告書によりますと、北陸新幹線120両を製造する費用として、328億1100万円が記載されています。これを単純計算し、1編成あたりの費用を試算してみると、1編成12両を製造するのにおよそ32億8000万円かかることになります。
NHK WEBより抜粋

台風に備えていたのか

320億円もの価値がある新幹線車両120両がダメになってしまう可能性がある。

全車両の3分の1が当面稼働できないことによる機会損失も大きいだろう。

新幹線車両センターの責任者・担当者はハザードマップを確認していたのだろうか。所在地の水害リスクを把握するためには洪水ハザードマップをみておきたい。

黄色でマルしたところが新幹線車両センター
紫色であって、10メートル超の浸水想定がある。
こちらは浸水継続時間のマップ
黄色でマルしたところが新幹線車両センター
紫色であって、4週間近い浸水継続が想定されている。

長野新幹線の沿線地域でもっとも浸水リスクのある地域に重要な資産を集結させていたことになる。

ちなみに、長野市の市街地は図のハザードマップの真ん中の密集地帯。洪水ハザードマップの色はついておらず、水害から安全なところに都市が形成されてきたことが読み取れる。

緊急対策はなかったのか

大型台風の上陸を前に、新幹線をはじめとした鉄道は早い段階で運休していました。水害の大きさは認識していたわけだから、車両を安全なところに避難させるべきだっただろう。
東京湾岸にある羽田空港からも台風上陸前に飛行機を(乗客を乗せずに)避難させている。

近隣の駅まで動かすこともできただろう。浸水10メートルの可能性がある横で、新幹線の高架もある。

北陸のまちを愛する立場から、早い復旧をお祈り申し上げます。

岡高志は、紛争予防の行政書士。議会で防災委員長も務めました。事業会社の危機管理全般において有益な提案もしております。

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