岡高志が解説する大田区馬込地区公共施設整備計画(案)

馬込地区公共施設整備 まちづくり・交通・環境・防災・防犯
馬込地区公共施設整備

大田区役所は、老朽化した馬込地区の公共施設を統合し新築する計画案を策定しました。馬込エリアで老朽化対策や高低差の解消を目指します。複合化により施設総量を抑えつつ多世代が集える地域拠点を整備します。

法的規制への対応や工事工程など今後詳細を詰める留意点もあります。

それでは、馬込地区の公共施設整備計画について、具体的な内容を詳しく見ていきましょう。

計画の詳細解説

なぜ今、馬込地区の施設整備が必要なのか?

大田区の「公共施設個別施設計画」では、昭和46(1971)年度以前に建築された「旧旧耐震基準」の建物を原則として新築(建替え)する方針が定められています。

馬込地区は「馬込九十九谷」と呼ばれる起伏豊かな地形を持ち、古くから坂道の多い街並みが形成されてきました。しかし、主要な公共施設の老朽化が進んでおり、安全性の確保とバリアフリー化が急務となっています。

既存施設のうち、中馬込の「馬込図書館」(昭和45年築)、南馬込の「馬込区民センター」(昭和44年築)および「みなみまごめ保育園」(昭和42年築)が旧旧耐震基準に該当しており、建て替えが強く求められています。

今回の計画では、老朽化対応に加え、複数施設を一つに集約する「複合化」を進めるそうです。一貫した行政サービスの提供と施設総量の抑制を図りながら、地域の高低差を解消して回遊性を高める「魅力あるまちづくり」を推進します。

対象となる既存施設の概要は以下のとおりです。

地区名施設名築年度敷地面積延床面積
中馬込馬込図書館※昭和45年864㎡1,608㎡
中馬込馬込特別出張所昭和60年895㎡856㎡
中馬込馬込保育園昭和54年1,773㎡818㎡
中馬込ゆうやけ児童公園-466㎡-
南馬込馬込区民センター※昭和44年1,496㎡1,880㎡
南馬込みなみまごめ保育園昭和42年1,032㎡936㎡

※馬込区民センターの延床面積には「南馬込四丁目児童館」「上池台障害福祉会館馬込分場」を含みます。

以下の図は、馬込地区における既存施設の現在の地理的配置を示しています。

馬込
馬込

続いて、中馬込と南馬込の各地区で目指す整備コンセプトについて説明します。

2つの地区が目指す「整備コンセプト」と比較

基本構想では、①幅広い世代が利用しやすい環境づくり、②「歴史・文化・自然」など地区の特性に合った施設づくり、③災害時に備えた防災拠点機能の強化、という3つの基本コンセプトを定めています。

かつて多くの文士が暮らした「馬込文士村」の文化資源や豊かな地域力を活かし、両地区の特性に応じた複合化を推進します。

中馬込地区は歴史や行政手続きの拠点とし、南馬込地区は多世代の交流や子育て支援を支える拠点として整備します。

両地区のコンセプトと特徴の比較は以下のとおりです。

項目中馬込地区南馬込地区
地区名中馬込地区南馬込地区
施設コンセプト出会い学びあう 文化の丘遊び育ちあう みらいの丘
エリア特性歴史・文化・地域力多世代・子育て
主要機能図書館・出張所・保育園区民センター・児童館・保育園

次に、中馬込複合施設の具体計画と配置案について詳しく解説します。

中馬込複合施設計画:11mの高低差を活かした配置(B案)

中馬込地区の計画地は、都営浅草線馬込駅から徒歩5分、馬込橋バス停留所からすぐの優れた立地にあります。

敷地は、出張所のある「上段」、保育園のある「中段」、東京地下鉄(株)用地の「下段」という3段構成で、東西間に最大11mの高低差があります。

この複雑な地形に対し検討された5つの案(A〜E)の中から、「B案(中・下段に建設)」が最適な計画として選定されました。

選定されたB案の主なポイントは以下のとおりです。

  • 仮設建物の運用が不要: 既存施設を活用しながら段階的に建設できるため、仮設建物を建てずに事業を推進できます。
  • 耐震課題施設の早期移転: 旧旧耐震建物である馬込図書館を早期に移転完了させ、安全性を迅速に確保します。
  • 建設コストと採光への配慮: 建設費の高騰を招き、採光面でも不便が生じる地下階をつくらない合理的な設計としています。
  • 建物内部での高低差解消: 建物内にエントランスやエレベーターを配置し、上段道路からフラットにアクセスできます。
  • 利便性を高める機能連携: 中段に図書館と特別出張所を一体配置し、行政手続きと読書をスムーズにつなぎます。

以下の図は、配置比較表およびゾーニング・断面概念を示しています。

中馬込
中馬込

続いて、南馬込地区の複合施設における機能と連携について見ていきましょう。

南馬込複合施設計画:多世代が交流する地域拠点

南馬込地区の計画地は、都営浅草線西馬込駅から徒歩8分、万福寺前バス停留所から徒歩4分の閑静な住宅街にあります。

周辺には「桜のプロムナード」や郷土博物館、熊谷恒子記念館などの文化資源があり、南側墓地により優れた眺望も確保されています。最大8mの傾斜地という地形特性を活かし、多世代が集える拠点を整備します。

主な導入機能と施設の特徴は以下のとおりです。

  • 区民センター: 体育室や集会室を整備しスポーツ・文化活動に対応します。自由に立ち寄れるロビー空間も設置します。
  • 児童館: 学童保育機能や一時預かり保育、子育てひろばを充実させ、職員の見守りが行き届く安全な配置とします。
  • 保育園: 敷地の高低差を活用して複数階から地上へ迅速に避難できる動線を確保し、立体的な園庭を計画します。
  • 図書サービスコーナー: 本の閲覧や予約資料の貸出・返却機能を備え、坂道の多い地域における読書利便性を向上させます。

以下の図は、南馬込地区の周辺環境および各室の連携イメージを示しています。

南馬込
南馬込

次に、施設建設にともなう法的条件や各種規制への対応について解説します。

敷地条件と法的・各種条例基準のクリア

複合施設の建設にあたっては、都市計画法や建築基準法、大田区の各種条例に基づき適切な手続きを進める必要があります。

特に南馬込地区は「第一種低層住居専用地域」に指定されています。この地域では原則として600㎡を超える児童館や区民センターの建設が制限されているため、建築基準法第48条に基づく許可手続きを行うことで建設を可能とします。

また、両地区ともに道路幅員基準への緩和適用や、緑化基準のクリアなど、適切な法的手続きを進めます。

両地区の法的条件および必要な手続きの違いは以下のとおりです。

項目中馬込地区南馬込地区
用途地域第1種中高層住居専用地域 / 近隣商業地域第一種低層住居専用地域
高度地区第2種高度地区 / 第3種高度地区第1種高度地区
指定建蔽率 / 容積率60%・80% / 200%・300%50%(準耐火等で60%) / 100%
緑化基準(地上部)敷地面積×12%以上敷地面積×16%以上
法的適用手続き等道路幅員基準不適合への緩和適用(都市計画法施行令第25条)建築基準法第48条許可(用途制限の解除)、道路幅員緩和適用、位置指定道路廃道手続き

最後に、概算費用と今後のスケジュールについて整理します。

事業費用概算と今後のスケジュール方針

本基本計画(案)に基づき、事業費用の概算や具体的な整備スケジュールは今後詳細が策定されます。

仮設建物を置かない効率的な工程計画や、各種法的手続きの進捗を踏まえながら、確実な事業実施に向けた検討が進められます。

馬込地区公共施設整備
馬込地区公共施設整備

よくある質問(FAQ)

Q1. 工事中に仮設店舗や臨時施設は作られますか?

A1. 中馬込地区では仮設建物を運用せずに工事可能な配置案を検討しています。既存施設を活用しながら順次整備を進める計画です。仮設施設の設置に伴う余計な費用や手間を抑えられます。

Q2. 高齢者や子どもにとって坂道や段差が大変ではありませんか?

A2. 敷地内の高低差はエレベーター等を設置して解消します。建物の各階からアプローチできる設計でバリアフリー化を図ります。車椅子やベビーカーを利用する方も安心して来訪できます。

Q3. 中馬込の図書館や出張所の待ち時間はどう変わりますか?

A3. 特別出張所の待合スペースと図書館の開架エリアを一体整備します。手続きの待ち時間にも本を読める充実した環境を提供します。時間を有効に活用できる居心地の良い空間を目指します。

Q4. 南馬込で図書館が遠くなる地域の利便性は確保されますか?

A4. 南馬込複合施設内に図書サービスコーナーを設置します。図書の閲覧だけでなく予約資料の貸出や返却にも対応します。日常的に本や情報へ気軽に触れられる環境を確保します。

Q5. 防災機能や安全対策はどのように考慮されていますか?

A5. 災害時には初動期の地域拠点として機能するよう整備を進めます。防犯面では保育園や児童館の見守り視線を確保します。入退館管理の集約などセキュリティ動線にも配慮します。

ご不明な点や追加のご相談がある場合は、以下のAIチャット窓口をご利用ください。

ご質問やご相談

馬込地区公共施設整備計画(案)に関するご質問やご意見は、

大田区役所で意見募集をしています。期間は令和8年9月14日(月)から10月13日(火)15時。

詳細はこちら:https://www.city.ota.tokyo.jp/omori/ts_magome/oshirase_event/magomepuropo_20261002.html

大田区長を目指す岡高志も、「岡高志AIチャットボット」にて24時間受け付けております。お気軽にご質問ください。

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