こんにちは。元・大田区議会議員 で 行政書士 岡 高志です。みなさま暑い中いかがお過ごしでしょうか。吞川についてまとめた記事を2024年8月に久しぶりに更新します。
暑い夏はゲリラ豪雨もまた発生します。河川の氾濫、崖崩れの危険性があります。特に都市においては、下水道の排水処理能力を超えて、街中で汚水が溢れるリスクが甚大です。川が無い住宅地が水浸しになったり、マンホールが噴き出している映像を毎年のようにみます。
大田区では 呑川 流域の整備に注目が集まります。
そこで、東京都下水道局は 呑川 流域を含めて下水道整備水準の引き上げを図っています。
東京都 豪雨対策下水道緊急プラン(2013年12月)
4つのエリアを【75ミリ対策地区】として、1時間あたり75ミリの豪雨にも対応できるように、既存の下水道幹線の下に新たに幹線を整備することとしました。
【75ミリ対策地区】のうち、❷の目黒区八雲・世田谷区深沢は、大田区と同じ呑川流域なので、詳細を次に…
呑川流域 とは
いまさらですが、呑川流域の定義。
呑川は、世田谷区新町地先を源とし、荏原台と田園調布台にはさまれた谷底低地に沿って東南に流れて東京湾に注ぐ流域面積約17.7km2、河川延長約14.4kmの二級河川です。呑川に流下する支川には、目黒区緑が丘地先において合流する河川延長約2.6kmの九品仏川があります。流域は、世田谷区、目黒区、大田区の三区にまたがり、流域の北は目黒川流域、東は立会川流域と内川流域、南西は谷沢川・丸子川流域、南は多摩川流域に隣接しています。
現在、呑川の九品仏川合流点より上流と九品仏川は、覆蓋化されており下水道事業区間となっています。また、大田区池上一丁目地先の堤方橋より下流域の雨水は、下水道施設を通じて東京湾へ直接放流されています。
出典:東京都建設局
呑川 暗渠地域 (目黒区八雲・世田谷区深沢)の豪雨対策
東京工業大学のグラウンドに立坑を掘って、上流に向けて下水道幹線を整備します。
これが完成すると、目黒区八雲・世田谷区深沢での浸水リスクは大幅に減少します。
新しく整備する下水道幹線にたまった汚水はどうするのか?
東京工業大学のグラウンドそばから流れている呑川に放流してしまうと、川が汚水で汚染されてしまいます。
豪雨が去れば、下水道幹線に戻して、水再生センターへと流します。
新しく整備する下水道幹線は終局的な出口がなく、豪雨時の貯留管として機能することとなってます。
どうせ新しく下水道幹線を整備するならば、
終局的に排水できるように検討してもらいたいです。
呑川 中流域 での合流改善
(2024年8月の更新箇所です。)
呑川の氾濫対策の文脈ではなく、水質改善の合流改善も行われています。
呑川周辺の下水道は、雨水も(トイレなどの)汚水も合流方式で下水道管に流れています。日本でも一部限られた地域は、分流方式と言って雨水と汚水にそれぞれの配管を与えています。
合流方式下水道管は、下水道管の処理能力を超えてしまう豪雨の際は、呑川などの河川にそのまま排水しています。
処理されてない、汚水が川に流れ込むので、汚い・臭い状況になります。特に、下流域は海の潮の流れで、川の流れが戻されてしまうので、汚い・臭い川の状況が長く続いてしまいます。
そんな呑川をきれいにするための合流改善が進められています。
氾濫対策ではありませんが、これも豪雨対策のひとつです。
第一弾として、呑川左側、大田区石川町~東調布公園までの約2kmに並行して下水を受け止める貯留管の整備が進みます。
もともとは、貯留池を地下に整備して受け止める計画でしたが、貯留管で十分とのことです。
貯留管を敷設するための巨大なたて穴を東調布公園の水泳プールのところに掘りまして、そこからシードルマシンが川上に向かって道路下を掘り進めます。
マンホール掘削工事 大田区石川町の住宅街で長期間実施されます
(2024年8月の更新箇所です。)
地下には、貯留管が整備されますが、ところどころに取水マンホールを設置します。
マンホールかと簡単に理解しましたが、
巨大マンホール
先日の説明会で示されたのは2つのマンホール
- マンホール工事現場に防音壁を設置せよ
- 道路を夜も含めて封鎖してもいいから、工事前後の設営作業を短縮して、工期を短縮せよ
- 中原街道が渋滞しないよう配慮せよ