東京都と23区の2021年度(令和3年度)予算案の簡単まとめ

政策

もと大田区議会議員おかたかしです。

身近な自治体の新年度予算案が知られていない現実があります。

東京都は大きすぎてわかりにくいし、東京23区は狭いエリアに23の自治体があって、細かすぎるのでマスコミの報道に載りません。

東京23区は、それぞれに抱える社会問題解決のために施策を打ち出します。 財政力のある自治体がそれぞれに課題解決策を競う政策コンテストともいえますので、注目に値します。
ひとつひとつ一次情報にあたると大変なので、各区の公式サイト以外では都政新報の記事を参照しました。

東京都の予算案

予算案の概要

⼀般会計歳出総額 7兆4,25 億円
前年比+710億円 +1.0%

税収 5 兆450億円
前年比 ▲3,996億円 ▲7.3%

事業見直しで1,110億円の財源確保
小池都政の5年間で合計4,600億円

基金残高 7,611 億円
前年比 ▲7,953億円 ▲51.1%

歳出の目的別内訳

引用:東京都財務局
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/zaisei/zaisei.html

東京都の事業の一部だけ紹介

  • 結婚応援イベント・結婚応援パスポート 0.3億円 
  • 不妊治療助成 55億円
  • 【New】若年がん患者⽣殖機能温存治療費助成事業 1億円
  • LINEチャットボット「妊娠したかも相談@東京」 0.1億円
  • 【New】 東京都出産応援事業(令和3〜4年度に出⽣した⼦ども1⼈当たり10万円分) 101億円
  • 【New】 ⾥親養育専⾨相談事業(⾥親⼦のサポートネット) 0.1億円
  • TOKYOスマート・スクール・プロジェクト 132億円
  • 【New】 ⼯業⾼校における企業等との連携に関する調査研究 0.1億円
  • 【New】 私⽴幼稚園の教育⽔準向上の新たな⽀援 2億円
  • 【New】 デジタルデバイドの是正に向けた⾼齢者向けスマートフォン利⽤普及 2億円
  • 【New】 ⾼齢者肺炎球菌ワクチンの定期予防接種補助 4億円
  • 【New】 AIとIoTにより認知症⾼齢者問題を多⾯的に解決 2億円
  • 特別養護⽼⼈ホーム整備費補助 107億円
  • 介護現場デジタル機器活⽤促進 3億円
  • 働くパパママ育休取得応援 5億円
  • 【New】 テレワークを活⽤した⼥性の雇⽤拡⼤ 0.7億円
  • 住居喪失不安定就労者・離職者等サポート 22億円
  • デジタル⼈材育成⽀援 6億円
  • 社会構造の変化に適応した働き⽅改⾰ 44億円
  • 【New】東京 i CDC専⾨家ボードにおける調査・研究 3億円
  • コロナウイルス等予防ワクチン開発研究の推進 1億円
  • 救急活動体制の充実 38億円
  • 中⼩河川の整備 491億円
  • 下⽔道の整備 471億円
  • 無電柱化の推進 340億円
  • 品川駅周辺まちづくり 63億円
  • 道路ネットワークの形成 2,404億円
  • ホームドア等整備 8億円
  • 【New】 サステナブルエネルギーファンドの創設 10億円
  • 【New】フィンテックファンドの創設 2億円
  • 【New】 DXファンドの創設 20億円
  • 【New】 ⾦融系外国企業重点分野⽀援 3億円
  • 中⼩企業制度融資等 2,244億円
  • 商店街の活性化⽀援 53億円
  • 都市農業経営⼒強化事業 5億円
  • 【New】 公⽴学校⽊の教育環境整備補助 3億円
  • ゼロエミッションビークル関連 403億円
  • 省エネルギー対策 112億円
  • 【New】 だれもが遊べる児童遊具 0.6億円
  • オリンピック・パラリンピック準備・運営 3,864億円
  • 【New】「アートにエールを︕」⼤規模イベント・公演助成 5億円
  • 【New】 アートファンド 4億円
  • 【New】 アーバン・フィットネス推進事業 0.3億円

東京都の事業紹介はどうしても網羅的になります。23区の予算もご参照ください。

各区予算案から新事業を勝手にご紹介

この時点で判明していた10区の予算案から新事業を勝手にピックアップします。
コロナ関連、ひとり親、高齢者ICT、DX、キャッシュレス、といった言葉が並びます。書いてないけど既に取り組んでいるという区もあるでしょう。

世田谷区(総額 3,199億円)

PCR検査費用 15億円
ひとり親世帯への住居支援 1,398万円
中小企業業態転換支援(1社上限150万円) 4億円
DX推進(AIチャットボット、せたがやpay など)4億円

練馬区(総額 2,825億円)

練馬区は、23区で唯一自前の児童相談所の設置を否定しています。代替案として、「児童虐待対応拠点」で都と区の連携を図ることにしており、その関連予算が5,100万円
データヘルス推進のための専門職配置 2,100万円
ひとり親支援(離婚協議書作成の公正証書の手数料助成など)1億2,200万円

板橋区(総額2,209億円)

病院間連携による転院等支援でコロナ専門病床を確保 1億3千万円
児童虐待対策(24時間・365日コールセンターなど) 3,600万円
医療的ケア児保育 1,500万円
コロナ対策住居確保給付金への上乗せ 700万円
植村直己スポーツセンター 19億円

江東区(総額2,171億円)

渋沢栄一翁の検証に関する包括連携協定関連 216万円
高齢者向けICT講座 124万円

品川区(総額1,824億円)

中小事業者のコロナ支援(1社上限20万円) 2億円
中小事業者のテレワーク支援(1社上限80万円) 8,000万円
オリンピック向け「しながわハウス」設置 1億1,196万円
ひとり親家庭養育費確保支援(養育費立替補償、公正証書作成支援など) 81万円
多胎児家庭支援 20,648千円
医療的ケア児向け「インクルーシブひろば」設置 2,950万円
証明書発行手数料、利用料の支払いを交通系 IC カードでキャッシュレス  82万円
電子図書館  5,038 千円

港区(総額1,624億円)

低所得子育て生体への食糧支援(1万円カタログギフト×12ヶ月) 4億8,941万円
障害者の就労支援 570万円
創業再チャレンジ支援事業 2 , 1410万円
中小企業テレワーク支援事業 3 , 000万円
手続手数料無料化(証明書、犬の登録手数料、飲食店営業許可申請手数料、理容所又は美容所の検査手数料など)
区有施設でのキャッシュレス化  1,767万円

豊島区(総額1,302億円)

商店街キャッシュレス推進(20%ポイント還元) 4,000万円
新型コロナウイルス感染防止対策費用補助(1社上限10万円) 2,000万円 
ひきこもり支援協議会設置 1,115万円
オリンピックライブビューイング整備 1億2,529万円
子ども・若者支援基金創設 240万円
おくやみコーナー(死亡届のワンストップ)設置 1,000万円

墨田区(総額1,193億円)

高齢者向けICT講座など 2,130万円
多胎児家庭外出サポート 72万円
中小企業業態転換支援(事業計画策定支援) 3,000万円
スタートアップ支援(サブス区など)2,500万円
ZOOM導入 353万円
自転車駐車場申請の電子化 1,600万円

目黒区(総額1,073億円)

自由が丘の鉄道立体交差化検討 3億円
大学生の老人ホームでのバイト就労支援 407万円
職員間の情報連絡にICTツール (ビジネスチャット)導入 1,425万円
証明書発行手数料を交通系 IC カードでキャッシュレス  107万円
プール受付管理アプリケーション導入 92万円
電子書籍貸出サービス 583万円

渋谷区(総額994億円)

高齢者のデジタルデバイド解消(スマホ3,000台無償貸与) 3億円
スマホでオンライン健康相談 1,379万円
空き店舗活用事業(店舗改修費用補助など) 3,949万円
スタートアップ環境整備事業 ( Shibuya Startup Deck など) 1億500万円
スマートシティ渋谷  1億2,700万円
補助金自動診断システム 66万円
落書き対策プロジェクト 1億1,000万円

【追記:2021.2.10】

荒川区(総額1,060億円)

児童養護施設整備 1億5,310万円
防災アプリ 2,630万円
あらかわ街なか美術館(彫刻作品などにQRコード設置) 280万円

江戸川区(総額2,776億円)

児童相談でのAI活用 9,991万円
防災情報のクラウド化 4,243万円

中野区(総額1,472億円)

旧中野刑務所正門の保存・活用 2,946万円
中野駅周辺のまちづくり 57億円

葛飾区(総額1,994億円)

借換融資あっせん制度創設 6億円
荒川橋の水防整備 2,685千万円
ひきこもりアウトリーチ支援 7,983万円

【追記:2021.2.13】

中央区(総額1,054億円)

首都高上空活用検討 2,000万円
京橋図書館移転整備 11億円

新宿区(総額1,576億円)

コロナ対策家賃減額助成 1億4,598万円
文化芸術配信支援 2,751万円

台東区(総額1,063億円)

AIチャットボット 1,111万円
世界文化遺産5周年 478万円

北区(総額1,539億円)

渋沢栄一大河ドラマ館運営 1億円
町会ICT活用支援 215万円

大田区(総額2,937億円)

われらが大田区の2021年度予算案。少し細かにコメントします。

  • コロナ患者受入支援 8,640万円
    患者1人・10万円
  • キャッシュレス決済の推進 1,286万円
    証明書発行手数料、施設使用料。 施設使用料といっても、とりあえず、平和島ユースセンター、勝海舟記念館、休養村とうぶ! 普段使いするところのほうがキャッシュレス化が求められます。
  • 町会のICT環境支援 209万円
    1団体上限10万円
  • 電子図書館サービス 1,053万円
    図書館へ行かずに電子書籍を閲覧できるようになります。いつから、どれだけ、楽しみです。
  • 給付型奨学金基金創設(大学進学者向け) 552万円
    1人15万円。財源はクラウドファンディングとのことで、何人に給付されるのでしょうか?
  • 給付型奨学金(大学進学者向け) 1,000万円
    1人8万円。非課税世帯向け。
  • 不登校教室開設 6,365万円
    池上図書館の跡を 不登校教室に転用します。
    不登校教室は文部科学大臣の指定で特別な教育課程を編成できる「不登校特例校」とのこと。通常の不登校教室は、本来の学校に戻るための支援が中心だが、 不登校特例校 で卒業を目指すもの。
    近年、中学校での不登校は多いですから、意義のある取り組みですね。
  • 「大田区学」開講 51万円
    シビックプライド醸成のために、大田区あるあるを学ぼうとのこと。所管が、観光課というのがなんともよくわからない。インバウンド低迷で手を伸ばしてきたのか?

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