11月1日に六本木アカデミーヒルズで開催された
第8回マニフェスト大賞 授賞式に出席いたしました。
私の学校施設整備についての提言が評価されて、
優秀政策提言賞をいただきました。
写真は、審査委員長の北川正恭氏(元三重県知事・早稲田大学マニフェスト研究所所長)
ちなみに、この部門の最優秀賞は、おとなり川崎市の小川顕正議員が受賞しました。
私の友人でもあるので、自分のことのように嬉しく思います。
議員をやっていますと、このような表彰には縁が無いものですから、励みになります。
また、マニフェスト大賞は地方政治の場では権威のあるものでして、
私も、政策力のある議員として認められたものと、自信を持ちました。
どういった提言であったのか、わかっていただくために、
講評・内容・私見の順序で以下、記載します。
最後までお読みいただけると、よりわかりやすいと思います。
【講評】学校施設の維持・建替えに必要な費用を考慮した、適切な長期整備計画の策定を提言。具体的には、区役所から関連データを入手して、区内の小中学校について、①建物の小修繕などを除いた改修費用(いわゆる資本的支出)の見積もり、②建て替えコストの予測、を議員が独自に計算。そして、十分に予算を確保できていない点など、既存の長期整備計画について疑問を呈している。投資・金融分野出身という議員の経歴を活かし、具体的な数値を示しながらの問題提起には説得力があり、行政へのチェック機能という点でも有効と考えられる。
【内容】
大田区の公共の建物 全120万㎡のうち、半分が学校です。
再調達原価を想定(設計事務所より ㎡単価24万円)しつつ、
学校(全87校)の資産明細を加工します。
区立小中学校を全て同じ大きさで建て替える、
建物を新しく建てるのに必要な費用、再調達原価を平米単価24万円とすると
約1,400億円になります。
この1,400億円の建物の長期整備計画について質問します。
CAPEX
再調達原価の2%ないしは3%という数字を毎年積み立てることによって、安定的な不動産運用が行うことができる。
適正なCAPEXの比率は、
国土交通省監修「建築のライフサイクルコスト」によると「1.67%」。
すると、年間23億円超のCAPEXが必要。
過去5年間の実績は、年平均13億5千万円。
これは理想的なCAPEXの半分程度である。
校舎の維持が十分であるとはいえない。
維持管理が十分でないのに、安易な長寿命化を主張するべきではない。
耐用年数を超えるような学校は建替えを推進するべきである。
建替え想定
築後60年で建替えるとして、
再調達原価をベースとして、
それぞれの学校の築年数をふまえて、
今後10年間で433億円
建替えコストがかかると予測。
【私見】
今回の提言は、2013年3月の予算特別委員会の場で行ったもの。
本来、
十分に予算がかけられない状況であれば、建替えをただ現状の規模のまま実施するのではなく、
学校の統廃合や他の区立施設との複合化によって、総体としての必要規模を縮小することも視野に入れなければならない。
そうした方向に議論を展開していくつもりでしたが、
役所の現状認識が不十分だったからか、その場での議論は深まらなかった。
そうした事情もあって、議論の落とし所は
公務員人件費のカットによって、資金を捻出するべき!となりました。
区議会というところ、左から右まで、公務員を擁護する立場に立っているので、「公務員人件費のカット」については、かなり野次が飛びました。
まあ、現状認識不十分の公務員であれば、遠慮なく人件費に手をつけるべきですが。
一度の提言で受け入れられるものでもないので、機会があるごとに発言してまいります。