「大田区の 学童保育 どこで利用できるの?」
「放課後ひろばと放課後こども教室は、何が違うの?」
「大田区の児童館が減るという話は、本当なの?」
この記事では、大田区の学童保育と放課後こども教室の仕組みを解説するとともに、2025年に策定された「大田区児童館構想」と、これからの児童館再編について考えます。
大田区で「児童館が減る」と聞いて不安な方へ
「大田区でも児童館が減るらしい」と聞けば、子育て中の保護者が不安になるのは当然です。子どもが放課後に立ち寄り、友達と遊び、困ったときには職員へ相談できる場所は、地域にとって大切な財産だからです。
2026年の杉並区長選挙では、児童館再編が大きな政策論争になりました。現職側は「児童館を守った」ことを実績として掲げ、前区長側は、行ったのは単純な廃止ではなく、学童クラブや乳幼児支援などを充実させるための「機能再編」だったと説明しました。杉並区自身も、従来の再編をいったん立ち止まって検証した経過を公表しています。
つまり、児童館という建物の数と、子どもが受けられるサービスの量・質をどう評価するかが、選挙の分かりやすい争点になったのです。
大田区でも、児童館の統廃合や学童保育の学校内移行が進められています。
杉並区と同じ言葉だけで語るべきではありません。大田区では、すでに区立小学校59校すべてに「放課後こども教室」が整備され、学童保育と一体的に運営する「放課後ひろば」も広がっています。
大切なのは、「児童館が何館あるか」だけではなく、子どもが安全に過ごせる場所が地域全体で増えているか、必要な支援につながりやすくなっているかです。
本記事では、長年検索されてきた大田区の学童保育情報を最新化し、そのうえで児童館再編をどう考えるべきか、子育て世代の立場から整理します。
参考:放課後こども教室(大田区)
大田区の学童保育と放課後こども教室
この記事を最初に書いたのは、大田区が学校内の放課後の居場所づくりを本格化させようとしていた時期でした。
当時、品川区の「すまいるスクール」や世田谷区の「新BOP」は先行事例として知られていました。大田区でも、学校の敷地内に学童保育と自由参加の居場所を整備してほしいという声が多く、私は区議会議員として、その実現を求めてきました。
現在の大田区には、大きく分けて「学童保育」と「放課後こども教室」があります。
学童保育 とは
学童保育は、保護者の就労、病気、家族の介護などにより、放課後に保育を必要とする小学1年生から6年生までが対象です。
申請後に審査があり、利用料が必要です。
2026年度は、学校開校日は下校時から午後5時まで、学校休業日は原則として午前8時30分から午後5時までで、延長保育もあります。
委託児童館や放課後ひろばなどでは、平日の午後7時まで延長する施設もあります。
希望施設の空き状況や必要書類は、最新の大田区公式ページで確認してください。
放課後こども教室 とは
一方、放課後こども教室は、その学校に在籍する児童なら、保護者の就労状況にかかわらず利用できる、自由な遊びと学びの場です。
毎年度の事前登録は必要ですが、利用料は無料です。
校庭、体育館、図書室、活動拠点教室などを使い、自由遊び、スポーツ、読書、宿題、工作などを行います。
ただし、学童保育のように職員が出欠と退室を管理する仕組みではありません。利用日や帰宅時間は、家庭で子どもと約束しておく必要があります。
全59校で放課後こども教室を実施
大田区では2024年9月までに、区立小学校59校すべてで放課後こども教室が実施されるようになりました。
運営形態は、次の3種類に分かれます。
- 学童保育と一体運営する「放課後ひろば(一体型)」
- 近隣児童館と連携する「放課後ひろば(連携型)」
- 放課後こども教室のみを運営する「単独型」
簡単に言えば、確実な保育と出欠管理が必要な家庭には学童保育、在校生が放課後に自由に遊び学ぶ場所としては放課後こども教室があります。
両方を同じ小学校内で運営するのが、現在広がっている放課後ひろばです。
名称が似ているため分かりにくいのですが、利用条件と管理方法は異なります。家庭の事情と子どもの過ごし方に合わせて選ぶことが大切です。
なぜ学童保育を学校内へ移してきたのか
これまで、学校内学童保育が増えていきましたが、最終的に全59校へ展開する方針が本当に実現できるのか、大規模校でも十分な教室を確保できるのかという課題がありました。
学校は授業のための施設であり、放課後のためにどの部屋を継続的に使えるかは、校舎の状況や学校運営にも左右されるからです。
それでも、子どもが通い慣れた学校で放課後を過ごせる利点は大きいと考えます。
学校から児童館まで移動する必要がなく、交通事故や不審者への不安を減らせます。校庭や体育館、図書室など、児童館だけでは確保しにくい空間も活用できます。
学童保育を利用しない友達とも、放課後こども教室を通じて一緒に過ごせます。保護者にとっても、学校と放課後の居場所が同じ敷地にあることは、生活動線を分かりやすくします。
私は区議会議員時代、多くの保護者からの要望を受け、学校内に放課後の居場所をつくるよう発言してきました。
かつて掲げた「全小学校への展開」は実現しましたが、次の課題は中身の充実です。
制度をつくって終わりではなく、利用する子どもの数に合った面積、職員数、活動場所を確保する必要があります。
登録者数が増えても、子どもが毎日狭い部屋で過ごすだけでは十分とはいえません。外遊び、運動、読書、宿題、静かな休息など、複数の過ごし方を選べることが必要です。
学校改築の際には、放課後利用を後付けにせず、
- 学童保育専用室
- 自由に遊べる室内空間
- 校庭や体育館を使うための動線
- 長期休業中の昼食や休息の場所
まで、最初から校舎計画へ組み込むべきです。
これが、導入期から事業を見てきた私の次の提案です。
大田区の児童館再編とは
大田区は2025年3月、「大田区児童館構想」を策定しました。
2025年3月時点の児童館は45施設で、直営24施設、委託21施設。そのうち35施設で学童保育を実施していました。
地区別では、大森16施設、調布9施設、蒲田13施設、糀谷・羽田7施設となっています。
児童館再編は2016年から始まっている
今回の再編は、突然始まったものではありません。
大田区は2016年に「児童館のあり方について」をまとめ、児童館などで実施していた学童保育を、区立小学校内の放課後ひろばへ移行する方針を示していました。
その一方で、学童保育の移行後の児童館では、
- 乳幼児親子への支援
- 子育て相談
- 一時預かり
- 中高生の居場所
などを拡充する考えでした。
当時は、地域子育て支援拠点を「概ね中学校区に1施設」、区内28か所を目途に整備する考えも示されていました。
すでに児童館の廃止や学童保育の移行が進んでいる
大田区児童館構想によると、2024年度までに全59校で放課後の居場所事業が展開され、学校内48施設で学童保育を実施するまでに広がりました。
一方、児童館などでも学童需要が大きいため、37施設で学童保育が残っていました。
また、2016年の方針以降、
- 児童館4施設
- 分室1施設
- こどもの家2施設
の計7施設が廃止され、児童館10施設で学童保育が休止されています。
廃止された建物の一部は、保育園、中高生ひろば、障がい児支援施設などへ活用されました。
学童保育は学校へ、児童館は相談・支援の拠点へ
新しい構想では、学校の改築などに合わせて、学童保育と放課後こども教室を一体運営する施設を増やします。
学校内へ学童保育を移す際は、地域ごとの需要と供給を確認しながら、児童館での学童保育を休止していく方針です。
同時に、児童館については、遊び場だけでなく、
- 子育て相談
- 子どもの権利擁護
- 不登校、貧困、いじめなどへの対応
- 障がいのある子どもへの支援
- 外国につながる子どもへの支援
など、ソーシャルワーク機能を強めるとしています。
構想が掲げるのは、子どもが自由に訪れて過ごせる場所、子どもの意見を施設運営へ反映する仕組み、配慮を必要とする子どもへの支援、地域や専門機関との連携、災害時の居場所、人材育成などです。
従来の「遊び場」に加え、家庭が抱える課題を早期に見つけ、必要な支援へつなぐ役割が期待されています。
児童館を3つの類型に再編
将来の体制は、次の3つに整理されます。
センター機能型
区内すべての児童館を統括し、職員研修、専門的課題への対応、モデル事業などを担います。
基幹型
大森、調布、蒲田、糀谷・羽田の各地区で、地域の児童館を支援し、地域団体や専門機関との連携を進めます。
地域型
地域に密着し、乳幼児親子、小学生、中高生の居場所や子育て相談を提供します。
さらに、乳幼児親子、ティーンズ、インクルーシブな居場所など、特定の機能を強化した児童館を地区ごとに配置する考えです。
つまり大田区の方針は、すべての児童館を同じ形のまま残すのではなく、
学童保育は、できるだけ小学校へ
児童館は、年齢を超えた居場所と専門的な支援の拠点へ
再構築するものです。
施設の統廃合を含むため、児童館の建物が減る地域は生じます。しかし、その評価は、建物の数だけでなく、移された機能が本当に充実したかまで見て判断する必要があります。
児童館は減るのではなく「役割が変わる」
私は、大田区の児童館再編の方向性そのものは、悪いものではないと考えます。
学童保育を学校内へ移す合理性
第一に、学童保育を小学校内へ移すことには合理性があります。
子どもは授業が終わった後、そのまま同じ敷地内で過ごせます。移動時の安全性が高まり、校庭、体育館、図書室なども活用しやすくなります。
放課後こども教室と一体的に運営すれば、学童保育を利用する子と利用しない子を必要以上に分けず、交流の機会をつくることもできます。
児童館本来の機能を広げられる
第二に、学童保育が児童館の部屋を長時間使用しなくなれば、児童館本来の自由来館機能を広げられます。
乳幼児親子、小学生、中高生では、必要な空間も利用時間も違います。
乳幼児が安心して遊べる場所、小学生が体を動かせる場所、中高生が落ち着いて話せる場所を確保し、相談支援を充実させるのであれば、児童館の役割はむしろ大きくなります。
地域全体で子どもの居場所をつくる
第三に、「一つの建物ですべてを担う」ことだけが、子どもの居場所政策ではありません。
学校、児童館、図書館、公園、地域施設、民間や地域団体の活動をつなぎ、子どもが自分に合った居場所を選べることが重要です。
大田区の構想が掲げる、児童館同士や専門機関、地域団体との連携強化は、この方向に合っています。
ただし、「再編だから何でもよい」ということではありません。
児童館を廃止した結果、放課後に自由に立ち寄れる場所が遠くなったり、中高生の居場所がなくなったりすれば、それはサービスの後退です。
学校内の居場所も、使える部屋が狭く、校庭や体育館を十分使えないのであれば、建物を移しただけになってしまいます。
また、学校という空間が苦手な子どもにとって、学校外の児童館が重要な逃げ場になっている場合もあります。
したがって、児童館の数を単独で目標にするのではなく、地域ごとに次の点を確認すべきです。
- 子どもが自宅から歩いて行ける範囲に居場所があるか
- 利用できる面積と時間は十分か
- 受入人数と職員配置は適切か
- 乳幼児、小学生、中高生の利用場所が確保されているか
- 学校内と学校外の両方に選択肢があるか
「児童館が減ったから悪い」「名前を変えて機能を移したから問題ない」という二択ではなく、子どもが実際に使える居場所が充実したかで評価する。
それが大田区に必要な議論です。
再編を成功させる鍵は、削減した施設数ではなく、再編後のサービスを測り、足りなければ追加整備する仕組みにあります。
岡高志が目指す「子どもの居場所づくり」
私は子育て世代の代表として、大田区長選挙に挑戦します。
児童館再編については、区の方向性を活かしながら、次の原則で進めます。
代わりの居場所を先に用意する
児童館を廃止・統合する場合は、先に代わりとなる居場所を用意します。
「将来、学校内に整備する予定」ではなく、子どもが使える場所、面積、時間、受入人数、職員体制が確定してから移行します。
再編の前後で、地域の居場所の総量が減らないことを数字で確認します。
学校改築を最大の機会として活用する
放課後ひろばを余った教室へ入れるのではなく、
- 学童保育専用室
- 自由に遊べる室内空間
- 静かに過ごせる場所
- 校庭、体育館への動線
を、設計段階から組み込みます。
学校教育と放課後事業の担当部署が別々に計画するのではなく、一つの施設として整備します。
乳幼児親子と中高生の居場所も守る
学校内の放課後ひろばは小学生にとって便利ですが、未就学児や地域の中高生が代わりに使えるものではありません。
各地区に、乳幼児親子が日中利用でき、中高生が夕方以降も過ごせる拠点をバランスよく配置します。
障がいの有無や家庭環境、国籍にかかわらず、安心して利用できる環境も整えます。
子ども本人の意見を反映する
計画を行政だけで決めません。
子ども本人、保護者、児童館職員、学校、地域団体の意見を、廃止や統合を決める前に聞きます。
特に子どもの意見は、形式的なアンケートで終わらせず、施設の設計や運営時間、活動内容に反映します。
私が目指すのは「児童館を減らす区政」でも、「変化を恐れて建物をすべて固定する区政」でもありません。
学童保育は、安全で身近な学校内へ。
児童館は、乳幼児から中高生までを支える地域の拠点へ。
それぞれの強みを活かし、子どもが選べる居場所を増やす再編を進めます。
7 まとめ
大田区の児童館再編には、施設の統廃合が含まれます。だからこそ、保護者や地域への丁寧な説明と、再編前後の検証が欠かせません。
しかし、児童館の建物が減ることと、子どもの居場所が減ることは同じではありません。
学童保育を学校内へ移し、全小学校に放課後の居場所を整え、児童館を乳幼児親子、中高生、相談支援の拠点へ高めるのであれば、それは子育て支援の縮小ではなく、時代に合った再構築です。
見るべきなのは施設名の数ではなく、子どもが安心して過ごせる場所が身近にあり、その質と選択肢が増えているかです。
私は子育て世代の代表として、数字と当事者の声の両方を確かめながら、大田区の子どもの居場所を充実させていきます。

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