統計からみる 子育て世帯の流出 大田区予算 案より

子育て世帯の流出 大田区予算 子育て・教育

元・大田区議会議員 岡 高志 です。わが大田区では、 子育て世帯の流出 が大きかった!そのように 大田区予算 案で取り上げられていて驚きました。

そうした事実を踏まえて子どもを育てる環境の改善に取り組みという趣旨の予算案でした。

大田区だけ 子育て世帯の流出 が激しいの?
コロナの影響なの?

という疑問がわいたので、統計を読んでみます。

2021年 大田区での 子育て世帯の流出

大田区の2023年度予算の概要説明のトップに下の図が掲載されてました。

子育て世帯の流出 大田区予算

子育て世帯の流出 これはマズイ!
ということで、子育て関連予算の充実が記載されます。

読み取れた新規施策としては、

  • 出産応援ギフト
    妊娠届を提出し、「妊婦面接」を受けると5万円相当のギフト
  • 子育て応援ギフト
    出生届を提出し、「すこやか赤ちゃん訪問」を受けると5万円相当のギフト
  • 転入子育て家庭面接
    大田区に転入した2歳未満の子ども家庭が面接を受けると クオカード 5千円
  • 1歳
    1歳児を養育する家庭にアンケートを実施し 商品券3万円
  • 2歳
    2歳児を養育する家庭にアンケートを実施し 商品券を第1子に1万円、第2子に2万円、第3子以降に3万円
  • ぴよぴよサポート
    生後2歳までの乳幼児を養育している世帯にヘルパー、助産師を派遣 初回2時間まで無料

これらは区の独自施策ではなくて、厚生労働省の2022年度補正予算の「子育て家庭への伴走型支援」

市町村が創意工夫を凝らしながら、妊娠届出時より妊婦や特に0歳から2歳の低年齢期の子育て家庭に寄り添い、出産・育児等の見通しを立てるための面談や継続的な情報発信等を行うことを通じて必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠届出や出産届出を行った妊婦等に対し、出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図る経済的支援(計10万円相当)を一体として実施する事業が国により支援されます。

子育て家庭への伴走型支援 厚生労働省

支援額: 妊娠届出時(5万円相当)・出生届出時(5万円相当)の経済的支援

補助率: 国2/3、都道府県1/6、市区町村1/6
※システム構築等導入経費は国10/10

区の財政担当者は、それでも、市区町村負担の1/6は自分らが出してると強弁するでしょうけど、独自性はない。

そういった意味で危機感があるような、ないような、大田区の施策ではあります。

23区 子育て世帯の流出 比較 2021年

他の自治体では、 子育て世帯の流出 は進んでいるのか、データのソースであるe-Statでデータを確認。グラフ化するのが手間なので、、、e-Statのグラフ機能でそのまま作表しました。東京23区のほかには、コロナ禍で転入が多いと言われる、千葉県勝浦市と長野県軽井沢町を追加。ちょっとわかりにくいけど。

2021年は、23区は全て 子育て世帯の流出 が生じています。軽井沢町はやや増加。もともとの人口規模が違い過ぎるので、並べたグラフではわかりにくいですね。

大田区は水色

棒グラフ右の純増減のところは一番低くて、マイナス1,000人のところ。

確かに、大田区は 子育て世帯の流出 が顕著な自治体である。

23区 子育て世帯の流出比較 2021

23区 子育て世帯の流出 比較 2019年

コロナ前は 子育て世帯の流出 は発生しているのか?同様にe-Statのグラフでデータを確認したいのですが、5歳階級のデータが見つからず、0~9歳の10歳階級のデータで比較。転入 マイナス 転出 の純増減のデータがなく(エクセルで引き算すればいいのですが手間なので)、グラフを見比べる形になります。

23区 子育て世帯の転入比較 2019
23区 子育て世帯の転出比較 2019

見比べてわかるのは、23区はおおむね0~9歳の人口は流出していたこと。

大田区では800人程度流出超過していたことがわかります。

どうやら、コロナのせいではなさそう。

都会での子育て世帯の流出 は止めれるか?

2019年、2021年の2年分のデータしか見てませんが、23区では、0~4歳の子どもを伴う 子育て世帯の流出 が続いているようです。

保育園に入れないかもしれないから、ということで、0~4歳の子どもを伴う子育て世帯は郊外へと流出していたのでしょう。

ライススタイルとして、都会のカップル賃貸住宅で、子どもが産まれて少し広い部屋を探すときに郊外に流出するのは自然なことです。

だけど、子どもが学齢期になると教育の質を求めて、都会に回帰してくる。その際に家族向きの家も調達したい。

都会の自治体としては、そうした人々のライフスタイルに合わせて、都会に回帰してくる際の、家族向きの家を供給しておくことではないでしょうか。

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