大田区の中心部の蒲田において
JR・東急の「蒲田駅」と京急の「京急蒲田駅」が歩いて10分ほど離れていて、不便!
との課題がありまして、
その2つの蒲田駅をつなげる「蒲蒲線」構想があります。
「蒲田駅」そばの大田区役所には大きな地下空間があって、「蒲蒲線」の地下路線の準備があるとの都市伝説(?)もうまれています。
「蒲蒲線」構想については、平成12年の運輸政策審議会答申で平成27年度の整備着手を目指していました。
さて、平成27年になったけど、まったく前に進んでいない中で、これからどうなる?
せめて、年内に決定される、交通政策審議会答申で高い優先順位に入れてもらおう!
ということなのですが、
7月10日付で東京都から、発表された「広域交通ネットワーク計画について 交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ」では、最優先の「整備について優先的に検討すべき路線」からもれて、「整備について検討すべき路線」どまり。
羽田空港関連は、平成12年の運輸政策審議会答申にはなかった「JR東日本羽田アクセス線」が最優先の「整備について優先的に検討すべき路線」にはいりました。
つまり、
とってかわられた次第。
しかも、「JR東日本羽田アクセス線」との比較において、
JR東日本羽田アクセス線と新空港線「蒲蒲線」を整備した場合、空港アクセス旅客の需要が競合することから、本検討における試算では、新空港線「蒲蒲線」の収支採算性の確保に課題があるとの結果になった。
とまで指摘されてしまう。
東京都から厳しい評価を下された以上、交通政策審議会答申で高い優先順位になるわけもなく、
大田区が推進してきた、「蒲蒲線」構想は、国、東京都も面倒をみてくれないことになるわけでしょう。
それでも、大田区は「蒲蒲線」を実現する!
などと息巻いても、その事業費負担は自己責任で。
となるようなもの。
”広域からの空港アクセスの強化”とのお題目を区役所が掲げてしまった以上、「蒲蒲線」の事業費負担の多くを大田区民の税金で負担というのはありえない!!
以上が、今までの経緯です。
さて、
大田区議会議員である私 岡 高志の本計画への立場は、消極的でした。
以下、松原忠義区長の発言とあわせて並べておきます。
平成27年度予算案への討論 2015.3.12
都の中間とりまとめでも、優先整備の5路線から蒲蒲線が外れております。ということで、松原区長がそうした世の空気をしっかり感じて、大田区の重要事業からあらかじめ外しておかれた、大変このリスクマネジメントには敬服するところでございます。
この新空港線蒲蒲線というのが、今、蒲田駅前の再整備で大きなボトルネックになっている。
残念ながら、この日の最後の区長発言(文末参照)で、「早期整備の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。」と強弁されてしまいます。
大田区議会第3定例会 討論 2014.10.9
蒲蒲線の整備についてですが、
国との協議の結果、2020年の五輪に間に合わないことになりました。
それでも、交通企画担当部長の答弁では、2020年に間に合わなくても進めていくと先日答弁され、日経新聞でも報道されました。
本定例会初日に、松原区長は続投宣言をされましたが、
そのように色あせてしまった蒲蒲線・新空港線の整備を区政の最重要課題として掲げる姿勢は理解できません。
来年4月の区長選挙にのぞむというのであれば、再考していただきたいと強く思います。
先日の区議会で、蒲蒲線新空港線の整備資金積立を行うことを決定した。
私はこれに反対しました。
新空港線の建設自体に反対するものではないが、
財政的に自立していない大田区が
将来的に東京都と同等の財政負担をすることを約束するかのような区の考え方には到底同意しかねるため、
私は反対いたしました。
新空港線のメリットは
羽田空港へのアクセス強化や
広域鉄道ネットワークの強化が中心的である。
首都東京のための事業であり
地元大田区だけが旗を振るものではない。
鉄道事業者である東急電鉄も意欲を見せている。
自治体のためだけの路線ではない。
首都東京のための事業であるから
都に対しては、大田区の出資割合が限りなくゼロに近づくように話をもっていってもらいたい。
2012年08月27日
新空港線 蒲蒲線 とは?
(大田区の事業構想を簡単に説明しています。)
ここからは、松原忠義区長の公式発言。
東京都の「広域交通ネットワーク計画について」≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫に関する大田区長コメント 2015.7.10
新空港線は「整備について検討すべき路線」とされております。
新空港線の整備効果については、この間、東京都に対し説明を尽くしてまいりましたが、十分な理解が無かったことは極めて遺憾であります。
新空港線は大田区が30年来取り組んできた最重要課題であり、大田区の交通アクセスの利便性を向上させることはもちろん、首都圏西部の交通利便性を著しく向上させるとともに、今後発生が予想されている首都直下地震の際の極めて重要な避難経路であることから、東京圏にとって必要不可欠な交通網であると考えております。 同時に、区部環状公共交通を整備するための突破口の交通網であり、新空港線の整備なくして区部環状公共交通の実現はありません。
新空港線は、内容、計画、費用面の深化が十分図られており、東京都が公表した優先すべきとされた5路線と比べても、遜色のない路線であると思っております。
引き続き国等に対して、客観的かつ公平な評価がされるよう、対応してまいります。
今後、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に羽田空港の航空需要が格段に増加するのは明らかであり、日本創生の観点からも、一日も早い実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
東京都の発表を遺憾とするだけでなく、
正しいのは大田区であって、日本のために進めていくのだと、
なぜか力強いコメントである。
平成27年第1回定例会最終日 松原忠義区長あいさつ 2015.3.12
3月6日、東京都が交通政策審議会答申に向けた検討の中間まとめの発表を行いました。
東京都の中間まとめにおいては、新空港線は整備効果が見込まれる路線(*)と位置づけられ、関係機関の検討状況や羽田空港の機能強化に向けた取り組み等を踏まえて、引き続き検討を行うと記載されております。
私は、この中間まとめの公表に先立ち、関連9区長連名による要望書を、代表して東京都と国土交通省に提出いたしました。大田区はもちろん、沿線にございます他の多くの自治体の期待も極めて大きいことから、引き続き、東京都、国とも連携を強化しながら、関係者間の合意形成並びに早期整備の実現に向けて積極的に取り組んでまいります
*ここでいう、新空港線は整備効果が見込まれる路線とは、最優先ではない意味なのだが、あたかも期待できるかのように強弁している区長発言。。。
政治的アクションとして、「関連9区長連名による要望書」を、あえて、アピールされています。
もっと他に効果的な政治的アクションは無いものでしょうか。