元・大田区議会議員の岡 高志でございます。
地方議会というところは任期4年。4月の統一選挙も終わり半年たったこのくらいの季節になると議会の枠組が固まってくる。与党を中心とした議員の動きや役人の議会対応の成果が現れる。こんな感じで4年間平穏な大田区政が流れていくものと読み解ける。
議員の海外視察が、大田区議会の試金石
ほぼ毎年、議員が議会公費で海外視察に行く。というと、けっこう他の自治体から驚かれるものだ。もちろん、ほとんどの自治体で何らかの理由で一定の議員の公費海外視察はあるけれど。
自民党議員の海外視察にかける意気込みは並々ならぬものがある。先輩の時代から培ってきた伝統のともしびは消さない。そんな保守の精神を8年間の区議会議員生活では感じてきました。
公明党には、自民党のその意気込みを蔑ろにできない友情関係がある。海外親善はいいけど、海外視察はダメ。そんな考えで臨まれている。
令和大田区議団という会派は、保守系議員の集まり。海外視察反対派もいたはずだが、新人2人含めて、4人が参加。
無所属会派からは、1人が参加。過去には反対討論もしていたが、しれっと参加。この辺りの説明責任のなさは無所属ならではか。都民ファーストの新人1人も参加。
自民党が野党系の新人議員をうまく巻き込んで、首尾よく23人の海外視察議員団を作ったなあというのが今回の感想。
視察の内容も練られたストーリーにしているようだし、ムダを省いて日数も削減している。各視察団も最大6人とスリム。工夫をした上で、野党系議員を説得したのでしょう。(結果、23人が参加したので総額は大きくなるだろう。正直、4コースは槍杉)
定数50を区長与党の自民党15・公明党12の27人で過半数を押さえているので、通せない議案などないのだが、令和5・無所属2・都民ファースト1の8人が巻き込める余裕の議会運営。多選禁止条例なんのそので4期目に入った松原忠義区長とともに盤石・安定の大田区政。
区長選挙に惨敗した私の遠吠えでしかないか。
自治体政治が盤石・安定といったとしても、自治体行政は不完全であったり、中途半端さがあるもの。そういうのをまっとうに指摘する野党議員は存在してもらいたい。イデオロギー強すぎると、まっとうな指摘をしないものだから、立憲民主党に期待したいところ。
そこで、今回の海外視察議案の会派ごとの賛否の状況表を示す。
立憲民主党(3人)は、大田区議会で野党なのか与党なのか、これが問われた案件である。海外視察には参加しないけど、議案そのものは賛成。多数で進めることに異議は表明しない。という大人な対応か。
区長選挙では、党利党略から共産党候補に相乗りした立憲民主党が議会対応においては現実路線に転じたということか。それとも、たんなる自・公・民の路線に回帰したのか。
自・公ともに新人議員がいない分だけ議会経験値が高い。新規参入の立憲民主党の牽制力に期待できるだろうか
私は去年は反対
以上、今年の大田区議会を外の立場から概括しました。各議員にはあえてなんら取材をしていない。10月10日まで議会開催中で、その間に話を聞いてみたいので、このブログが議論を呼んでいることを期待する。
ちなみに、私は昨年と一昨年は反対。それまでは賛成してました。同種の議案で、賛成⇄反対と意見が変わる時は、ちゃんと公に発言するべきだろう。
昨年の議会での質疑動画はこちらです
議員の海外視察が全て悪いとは思わない。
私も幾度か大田区の公費で海外視察をしてます。よい調査ができて、区政にアイデアをもたらせたと思います。(そんなことない!という意見もあるでしょう。)
議員の国内視察も毎年あります
議員視察といえば海外旅行だけでなく、必ず毎年国内各地に出かけます。
日程はスカスカだし、出かけて行っても、よその役所の会議室でレクチャーしていただくだけで、現場をみないこと多いのです。
大田区議会は最終日は現地解散させてくれるので、私は自由に現地を散策したものです。ほかの自治体議員に聞くと、地元に戻るところまで団体行動させられるそう。
議員は業務執行に携わる一般公務員ではない。幅広い住民の代表として、自由や創造という気持ちが大切だと私は思う。