大田区 の皆様の平穏な生活環境を守ることは、私の政治活動の柱です。一方で、適正に事業を営まれている事業者の皆様の不安にも真摯に向き合う必要があります。現在、大田区が提示している旅館業および住宅宿泊事業( 民泊 )の条例改正案について、整理しました。
旅館業法 とは
旅館業法は、ホテルや旅館の運営を律する法律です。
平成30年の緩和以降、玄関帳場(フロント)の設置義務がなくなるなど、既存住宅を転用した小規模な宿泊施設が増えて、住宅地での営業も目立つようになりました。
これが管理者の顔が見えないことによる近隣トラブルの一因となっていました。
住宅宿泊事業( 民泊 )とは
いわゆる「新法民泊」で、届出により年間180日を上限に住宅を宿泊施設として活用するものです。これまでは「家主居住型(オーナーが一緒に住むタイプ)」であれば、静かな住居専用地域でも例外的に認められてきました。
なお、大田区では「特区民泊」という制度が別にございます。
参考記事:大田区の民泊ガイドライン改正
改正の内容とスケジュール
今回の改正案は、令和9年度(2027年度)上半期の施行を目指しています。
- 旅館業(ホテル・旅館): 原則として、施行後の「新規申請」から新たな構造設備基準(フロント設置、管理者常駐など)が適用されます。
- 住宅宿泊事業(民泊): 営業エリアや営業日の制限についても、原則として施行後の「新規届出」が対象となります。住居専用地域や学校周辺での営業が禁止されるほか、営業可能日も週末や祝日のみに制限される方針です。
- 既存事業者への適用: 既に営業している施設についても、「ICTを用いた管理(防犯カメラでの画像記録等)」の義務化のみ、一定の猶予期間を経て適用される予定です。
- 一体的な管理を義務化:営業施設は、玄関、玄関帳場、客室その他宿泊者等の用途に供する施設を一体的に管理することができ、かつ、住居その他の施設と区画され、これらが混在していない構造であることとします。

なぜ「家主居住型 民泊 」も住居専用地域で禁止されるのか
これまで「家主居住型」は、家主の目が届くことから住居専用地域でも認められてきました。しかし、今回の改正案では形態を問わず一律に新たな実施を不可としています。その理由は以下の通りです。
- 「住居」としての本来の目的を重視: 住居専用地域は、本来「人が生活する場」として守られるべきエリアです。住宅宿泊事業法における「住宅」の定義(生活の本拠であること等)に基づき、事業目的ではなく本来の居住目的で適切に使用される環境を維持するためです。
- 学校周辺の安全確保: 小中学校の敷地から100メートル以内での事業を禁止することで、児童・生徒の登下校時の安全や、教育環境の静穏を最優先に考えた結果です。
- トラブル対応の限界: 家主が居住していても、宿泊者に起因する騒音やゴミ出し等のトラブル、近隣住民の不安を完全には解消しきれないという切実な声が多数寄せられているためです。
既存 民泊 事業者向け Q&A
Q. 施行されたら、もう今の場所(住居専用地域)では営業できなくなりますか?
A. いいえ。施行後の「新規」の届出が不可となる方針であり、既に届出済みの施設については、直ちに営業ができなくなるわけではありません。
Q. 営業日の制限(土日祝のみ)も既存施設に適用されますか?
A. 原則として、施行後の新規届出施設に適用されます。ただし、地域環境の維持のため、既存の皆様にもご理解とご協力をお願いする場面が出てくる可能性はあります。
Q. 防犯カメラ等のICT管理の導入はしなければならないか?
A. 地域の安心をより確かなものにするため、宿泊者の出入りを確認・記録できる体制整備が必要です。これには一定の猶予期間が設けられますので、その間にご対応を検討いただくことになります。
パブリックコメントについて
この改正案はまだ「骨子案」の段階です。事業を営む皆様の視点、そして住民の皆様の視点、双方の声を反映させることが重要です。
- 募集期間: 令和8年8月15日から9月4日まで
- 提出方法: 電子申請、郵送、ファックス等
参考:民泊等の制度改正案に対する区民意見等の募集について(大田区)
皆様の生のお声を、ぜひ区へ届けてください。私はこれからも、誰もが安心して暮らせる、そして誇りを持って事業を続けられる大田区を目指し、調整を続けてまいります。



