参院選2025 に向けて知っておきたい在外投票制度

参院選2025 選挙コラム
参院選2025

こんにちは、行政書士の岡高志です。2025年の参議院議員通常選挙が近づいてきました。今年の選挙では、日本国内に住所がない海外在住の日本人でも 「在外投票制度」 を利用すれば投票に参加できます。この制度をまったく知らない方にも分かるように、在外投票制度の概要と 参院選2025 におけるスケジュール・注意点について、やさしく説明します。

在外投票制度とは?誰が利用できる?

在外投票制度とは、海外に住んでいる日本人が外国にいながら国政選挙(衆議院・参議院の選挙)に投票できる制度のことです。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ満18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録されており在外選挙人証(登録証明書)を持っている人です。つまり、日本を出国して海外に住所があっても所定の手続きを踏めば一票を行使できるわけです。

ただし国政選挙のみが対象で、都道府県知事選や市区町村長選など地方選挙は在外投票できません(選挙権を行使するには日本国内に住民票が必要です)。また、公職選挙法の規定により、犯罪により選挙権を停止されている場合などは在外投票制度を利用できません。

在外選挙人名簿への登録方法(事前の手続きが必要)

海外から投票するためには、事前に在外選挙人名簿への登録を済ませ、交付された在外選挙人証を手に入れておく必要があります。登録には時間がかかるので、選挙の告示後に慌てても間に合いません。以下の2つの方法で登録申請が可能です。

  1. 出国時申請(日本国内での申請) – 日本を出国する前に市区町村役場で行う方法です。日本における最終住所地の市区町村で選挙人名簿に登録されている満18歳以上の方が対象で、住民票の転出届を提出した日から転出予定日までの間に申請できます。申請先は最終住所地の市区町村選挙管理委員会で、転出届提出のタイミングで窓口に申請書を提出します。これが認められると、日本の選挙人名簿から抹消される代わりに在外選挙人名簿へ「登録の移転」が行われ、後日在外選挙人証が交付されます。
  2. 在外公館申請(国外での申請) – 渡航後、渡航先の日本大使館や総領事館で行う方法です。満18歳以上の日本国民で、現在お住まいの地域を管轄する日本大使館・総領事館の管轄区域内に引き続き3か月以上住所を有する方が対象です。申請はお住まいの地域を所管する在外公館(大使館・総領事館)の領事窓口にて行います。
    実際には現地に3か月居住する前でも住所を定めていれば申請書の提出自体は可能で、領事館が3か月経過後に本国(最終住所地の選挙管理委員会)へ送付し審査される流れです。必要書類は申請書(在外選挙人名簿登録申請書)と本人確認書類(有効な旅券など)です。領事官が申請内容を確認の上、日本の自治体に送付し、資格を満たせば在外選挙人名簿への登録がなされます。登録が完了すると数か月後に在外選挙人証が発行され、領事館経由で受け取ることになります。

在外投票の方法(3つの投票手段)

在外選挙人名簿への登録と在外選挙人証の取得ができたら、実際に海外から投票する方法は3通りあります。自分の状況に合わせていずれかを選んで投票しましょう(いずれも国政選挙が対象です)。

  • 在外公館等投票(国外の日本大使館・総領事館で投票): 在外選挙人証を持参し、近くの日本大使館・総領事館など在外公館に赴いて投票する方法です。原則、公示日の翌日から日本国内の投票日の6日前までの期間に実施されます。例えば参院選の場合、公示翌日から投票日6日前(投票日の前週月曜日)までが在外公館での投票期間です。ただし、在外公館から日本へ投票用紙を送る日数の関係で各公館ごとに投票終了日が異なることがあります。実際に投票できる日時・場所は在外公館ごとに告知されますが、多くの大使館・総領事館では現地時間の午前9時30分から午後5時まで受付しています。投票の際は在外選挙人証とパスポートを提示し、用紙に候補者名等を記入して所定の封筒に入れて提出します。なお、どの在外公館でも在外選挙を実施していれば投票可能です。たとえば留学先の国以外に旅行中でも、投票期間内であれば立ち寄った先の日本大使館で投票できるので覚えておきましょう。
  • 郵便等投票(郵便による投票): ご自宅などから郵送で投票する方法です。まず投票用紙等の請求を行いますが、これは選挙の公示前でもいつでも可能です。自分が登録されている市区町村選挙管理委員会宛てに在外選挙人証を同封して郵送等で請求します(在外選挙人証と一緒に配布されている「在外投票の手引き」に請求用紙が付いていますし、総務省や外務省のウェブサイトから様式をダウンロードもできます)。選挙管理委員会から投票用紙一式が郵送されてきたら、選挙の公示日の翌日から投票用紙に記入して封をし、速やかに郵送で登録先の選挙管理委員会宛て返送します。注意: 郵便投票の場合、日本国内の投票日当日の投票所が閉まる時刻(通常午後8時)までに選管に投票用紙が到着していなければ無効になります。2025年参院選では日本時間7月20日(日)午後8時が締め切りです。海外から日本への郵送には時間がかかるため、余裕をもって投函しましょう。手続き全体に一定の日数を要しますので早めの請求が肝心です。もし投票用紙の郵送請求をした後で、「やはり在外公館で直接投票したい」と予定変更した場合もご安心ください。在外選挙人証を持参のうえ未使用の投票用紙等一式を在外公館に返却すれば、公館での投票に切り替えることも可能です。
  • 日本国内での投票(一時帰国等): 選挙期間中に一時的に帰国している場合や、海外から帰国後まだ住民票を移して3か月未満で国内の選挙人名簿に登録されていない場合でも、在外選挙人証があれば国内で投票できます。具体的には、公示日の翌日から投票日前日までの期間であれば、在外選挙人名簿に登録された市区町村(=元の住所地)の選挙管理委員会が指定する期日前投票所で「期日前投票」が可能です。滞在先が元の市区町村から遠い場合は、元の市区町村選管が指定する方法に従い、今いる先の市区町村役場での「不在者投票」という形で投票用紙を取り寄せて投票することもできます。また、投票日当日に滞在中の場合は、元の市区町村選管が指定した投票所において在外選挙人証を提示して投票することもできます。要は、一時帰国中でも在外選挙人証があれば、日本国内で不在者投票など所定の方法により投票可能です。詳しくは登録先の市区町村選管に事前に問い合わせておくと安心でしょう。

参院選2025 の日程と在外投票のポイント

2025年の参議院議員通常選挙(第27回参議院選挙)のスケジュールが公式に発表されています。政府の閣議決定により、公示日・投票日などは以下の通りとなりました。

  • 公示日(選挙戦開始日): 令和7年7月3日(木曜日)
  • 投票日(日本国内投票日): 令和7年7月20日(日曜日)

今回は7月20日が投票日となり、この日に向け各種日程が組まれています。海外にお住まいの方がこの参院選で投票する場合、在外投票は上記日程に即して行われます。改めて重要なポイントを整理しておきましょう。

  • 在外公館での投票期間: 原則として公示日の翌日である7月4日(金)から投票日6日前の7月14日(日)までです(※厳密には投票日6日前が日曜なので各公館で実際の締切日は前週末の金曜7月11日になる場合もあります。いずれにせよ投票期間は公館によって異なる可能性があるため、在外公館からのお知らせを確認してください)。各在外公館ごとの投票実施日程・時間帯は外務省や大使館の公式サイトで案内されていますので事前にチェックしましょう。
  • 郵便投票の締め切り: 繰り返しになりますが、郵便等投票の場合は日本時間7月20日(日)投票所閉鎖時刻(午後8時)までにあなたの投票用紙が日本の選挙管理委員会に届いていなければなりません。郵便事情によっては数週間かかる地域もありますので、まだ投函していない方は急いで手続きをしてください。公示前から請求可能とはいえ、選挙日程が発表された今となっては時間との勝負です。万一ギリギリになってしまった場合、可能であれば大使館等での投票への切り替えも検討しましょう。
  • 在外選挙人証の携行: 在外公館投票でも日本国内での投票でも、在外選挙人証の提示が求められます。投票の際は必ずお手元にあることを確認してください。紛失した場合は再交付手続きが必要です。

最後に、海外に住む皆さんの一票も日本の将来を左右する大事な一票です。私も行政書士として、在外投票制度の周知や手続き支援を行っています。2025年の参院選では、この在外投票制度をぜひ活用して、世界のどこからでもあなたの声を国政に届けてください。海外にいても投票できます。一人ひとりの意思表示が、日本の民主主義を支えます。しっかり準備を整えて投票日に臨みましょう!

参院選2025
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参考資料・出典リンク: 総務省・外務省公式サイト「在外選挙制度」解説ページや関連法令(公職選挙法)等を参照しています。詳しく知りたい方は、以下のリンクもご覧ください。

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