顧問契約書 とは? 顧問契約書ひな形 テンプレート と解説 AIチャットボットから契約書作成

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 顧問契約 は安定的に収入が入る点で、重要な契約となります。ただ、いざ契約を結ぶ段階になったとき、 顧問契約書 の作成や内容について不安に思うことはないでしょうか?この記事では、顧問契約書の作成を通じて、専門家を顧問として継続的に利用するための契約を効率的に整備できます。顧問契約は、専門的な相談や事務処理を継続的に行ってもらうための重要な手段であり、岡高志行政書士事務所ではその作成プロセスをAIチャットボットの活用により支援します。この記事では 顧問契約書ひな形 テンプレート とともに 顧問契約 条文の解説をします。

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顧問契約 とは?

 そもそも 顧問契約 とは何でしょうか?

 「専門家を顧問として、継続的に相談や助言、事務処理などを行ってもらう契約」

を 顧問契約 と言います。

 類似の契約としては業務委託契約がありますが、一般的に単発で依頼する場合は業務委託契約、継続的に依頼する場合は顧問契約が結ばれます。

 法的性質は通常、委任契約とされています。そのため、顧問契約書を作る際は委任契約の法令を基に作成します。

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顧問契約書 の 条文

顧問契約 第1条 契約の目的

 顧問側は契約書に書かれた業務の内容について、高い専門性を持って処理する必要があります。

 そのため、業務範囲があやふやのままだと、争いになったときに想定していなかった業務内容について債務不履行による責任が課される恐れがあります。

 契約書には業務範囲をあらかじめ定めておき、顧問側に責任がある業務をはっきりさせることが重要です。場合によっては、「〇〇の業務は本顧問契約には含まれない」など、特定の業務を契約の範囲外にする文言を入れることも検討に入れても良いかもしれません。

※ページ下部のおまけで業務の範囲を争われた判例について解説しています。

 業務内容例を下記で記載しますので、必要に応じて使い分けてください。

○経営コンサルタント

  • 経営相談
  • 組織構築に関する相談業務
  • 事業計画策定に関する業務
  • 〇〇(サービス、商品名)の販売、販促に関する相談
  • 〇〇(サービス、商品名)の販売先の仲介
  • 〇〇(サービス、商品名)の開発、改善に関する相談

○税理士

  • 税務相談
  • 法人税、事業税、住民税及び消費税の税務書類の作成並びに税務代理業務
  • 総勘定元帳及び試算表の作成並びに決算の処理
  • 会計処理に関する相談
  • 会計帳簿作成の基となる原始資料の精査(※顧問業務の責任範囲が広がりすぎる可能性から推奨せず)
  • 税務調査の立合い

○社労士

  • 労働・社会保険諸法令に基づく書類の作成
  • 労働・社会保険諸法令に基づく帳簿類の作成
  • 労働・社会保険に関する指導及び相談

顧問契約 第2条 契約期間

 契約期間の条文については取引の目的によって使い分けが考えられます。

 継続的に契約を結ぶ場合、自動更新の条項を入れることで都度契約を結び直す必要がなくなります。

 一方で単発の顧問契約の場合、契約期間を明確に区切ることで契約終了することができます。この場合でも、協議で延長できる旨の記載があると不測の事態で業務期間が伸びた場合でも対応が可能です。

 さらに、超長期にわたる契約を想定している場合は、契約期間の条項を設定せず、中途解約の条項のみ記載することも考えられます。

 下記でパターン毎の例文を記載しますので、ご自身の状況によって使い分けください。

○長期的な取引を想定している場合

 本契約の有効期間は、令和〇〇年〇〇月〇〇日から令和〇〇年〇〇月〇〇日までとする。ただし、本契約の満了1ヶ月前までに、顧問及び顧客のいずれからも契約終了の申入れがない場合は同一条件で1年間自動更新するものとする。

○単発の場合

 本契約の有効期間は、令和〇〇年〇〇月〇〇日から令和〇〇年〇〇月〇〇日までとする。ただし、顧問、顧客間での協議の上、必要に応じて契約期間を延長できるものとする。

顧問契約 第3条 顧問報酬

 民法648条により、顧問契約は契約書に記載がない限り報酬を請求することができません。

 報酬については数パターン考えられますが、下記で例示していますので、取引の形態によって使い分けてください。一般的な報酬形態は定額型ですが、事前に業務にかかる時間の見積もりが難しい場合などはタイムチャージ型、決算書類の作成など具体的な成果物がある場合は成果報酬型が使われます。

○定額型

 報酬は月額金〇〇円とし、毎月末日に顧問が指定する口座に振り込む方式で支払うものとする。

 ただし、振込手数料は顧客の負担とする

○タイムチャージ型

 報酬は時間報酬とし、1時間あたりの単価は金〇〇円(消費税別)とする。

 顧問は当月の業務内容報告書を顧客に対して翌月○日までに提出し、顧客は業務内容報告書に基づいた当月分の報酬を翌月末日までに顧問が指定する口座に振り込む方式で支払うものとする。ただし、振込手数料は顧客の負担とする

○成果報酬型

 〇〇作成の報酬は金〇〇円(消費税別)とし、〇〇を提出した翌月末日までに顧問が指定する口座に振り込む方式で支払うものとする。ただし、振込手数料は顧客の負担とする。

顧問契約 第4条 遅延損害金

 報酬の支払が遅れたとき、民法409条により、遅延損害金を請求できます。

 遅延損害金の利率は契約で定められていない場合法定利率3%(民法404条2項)となりますが、契約で変更することができます。

 作成者が報酬を支払う側でしたら利率を低く、逆に報酬を受け取る側でしたら利率を高く設定することで報酬未払い時に有利に進められます。

顧問契約 第5条 費用

 業務を遂行するにあたっての費用は、民法650条で顧客側に請求することができます。こちらは契約書に書かなくても、民法の規定をもとに請求はできますが、後々のクレームに発展しないよう、あらかじめ契約書に記載するのがベターだと言えます。

顧問契約 第6条 秘密保持義務

 顧問契約は会社の根幹に関わる機密情報を把握して業務遂行するため、顧問側に秘密保持の義務を課すことが大事と言えます。

 この秘密保持については契約後についても情報開示しないよう規定するのが重要です。

 ただし、顧問側が士業者の場合、法律で秘密保持義務が課されている(行政書士法12条など)ため、簡易的な記載にとどめておくことも考えられます。

顧問契約 第7条 業務実施者

 民法644条の2により、顧問は顧客の承諾を得なければ、顧問契約の業務を他人に行なわせることができません。そのため、事前に顧問以外の業務執行者がいるとわかっている場合は、契約書に業務を行なう人を列挙して置く必要があります。

 また、契約時点では不明確でも、事後的に他人に業務を行なわせる可能性がある場合は顧客側の了解を得るような条項に変えることで対応が可能です。

 それぞれの条項案は下記で記載します。

○事前に業務執行者がわかっている場合

 ・顧問が本件顧問業務の実施するにあたり、業務実施者は次のとおりとする

○事後的に他人に業務を行なわせる可能性がある場合

 ・顧問は顧問以外の者を本件顧問業務に関与させるときは、予め顧客の承諾を得るものとする。

 

顧問契約 第8条 中途解約

 民法651条により顧問契約はいつでも解約することができます。

 ただし、民法648条3項により業務の履行割合に応じて報酬を請求できること、民法651条2項1号により相手方に不利な時期に解約した場合、損害を賠償することが規定されているため、その確認のために上記条文の内容を契約書に記載すべきでしょう。

顧問契約 第9条 解除事由

 契約解除については催告により解除できる場合と、催告が不要な場合が民法541条、542条で明確に記載されています。

 契約書でも不測の事態になった際のトラブル予防のため記載するべきでしょう。

顧問契約 第10条 管轄裁判所

 第一審のみは契約によって管轄裁判所を定めておくことができます(民事訴訟法11条)。万が一、紛争が生じた際に自分の有利な管轄裁判所で裁判ができるよう、ご自身の所在地に近い裁判所を指定しましょう。

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顧問契約書 テンプレート

 以上の注意点を含めた顧問契約書のテンプレートは下記となります。

 〇〇の部分はご自身の状況によって書き換えてください。もし、作成に不安がありましたら、岡高志行政書士事務所へ 契約書作成 をご依頼ください。
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           顧問契約書

 〇〇〇〇(以下「甲」という)と〇〇〇〇(以下「乙」という)とは、乙が甲のために行う顧問業務に関して、次の通り契約(以下「本契約」という)する。

(契約の目的)

第1条      甲は、乙に対し、乙が甲の「顧問」として以下の業務(以下「本件顧問業務」という)を行うことを委託し、乙は、これを受託する。

①    〇〇〇〇

②    〇〇〇〇

③    〇〇〇〇

2 甲は乙が行う業務が〇〇について保証するものではないことについて確認をする。

 (契約期間)

第2条 本契約の有効期間は、令和〇〇年〇〇月〇〇日から令和〇〇年〇〇月〇〇日までとする。ただし、甲乙間での協議の上、必要に応じて契約期間を延長できるものとする。

(顧問報酬)

第3条 甲は、乙に対し、本件顧問業務の対価として、顧問報酬を月額金〇〇円(消費税込)支払う。

2 前項で定めた報酬は令和〇年〇月〇日までに乙が指定する口座に振込送金によって支払うものとする。ただし、振込手数料は甲の負担とする

3本件顧問業務の履行に要する時間が想定の大幅に超過すると予想される場合には、甲乙間で別途協議するものとする

(遅延損害金)

第4条      甲が前条に定める報酬支払を遅延した場合、支払期日の翌日から支払がなされる日まで、年14.6%(年365日割計算)の割合による遅延損害金を乙に支払うものとする。

(費用)

第5条 乙が本件顧問業務を遂行するための費用を必要とする場合、甲乙間の協議により支払方法を書面で決定するものとする。

(秘密保持義務)

第6条 乙は、本件顧問業務の遂行上知りえた秘密を、甲の承諾なしに、本顧問契約中はもとより終了後も、第三者に開示しないものとする。

 2 前項の守秘義務は知りえた秘密が下記のいずれかに該当する場合には適用しない。

 ①公知の事実

 ②第三者から適法に取得した事実

 ③知りえた時点で保有していた事実

 ④法令、政府機関、裁判所の命令により開示が義務付けられた事実

(業務実施者)

第7条 乙が本件顧問業務の実施するにあたり、業務実施者は次のとおりとする

   〇〇〇〇

2 乙は前項に定める者以外の者を本件顧問業務に関与させるときは、予め顧客の承諾を得るものとする。

(中途解約)

第8条 甲は本契約の契約期間内であっても、1ヶ月前までに書面による申出を行なうことで、本契約を解約することができる。

2 前項に基づいて解約がなされた場合には、乙は本件顧問業務の履行割合に応じた報酬を請求することができ、履行の割合及び報酬の額については甲乙間で協議するものとする。

3 第1項の解約が、乙にとって不利な時期になされた場合、甲は乙が被った損害を賠償するものとする。

(解除事由)

第9条 以下の事由が生じた場合、乙は、何らの催告を要することなく、直ちに本契約を解除することができる。

①本契約の履行が不可能になった場合 

②  相手方が本契約に定める義務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき

③本契約に定める義務の一部の履行の拒絶する意思を明確に表示している場合であって、残存する部分のみの利行では本契約の目的を達成できないとき

④ 相手方が、強制執行、破産、特別精算、民事再生及び会社更生手続開始の申立てを受け、若しくは自ら申立てたとき

2 甲又は乙は相手方が本契約の義務に違反したときは相当な期間を定めて義務の履行を催告し、なお義務が履行されないときは本契約の全部又は一部を解除できるものとする。

3 甲又は乙は本条1項に定める解除事由が自己に生じたときは、相手方に対する一切の債務につき当然に期限の利益を喪失するものとする。

(管轄裁判所) 

第10条 甲及び乙は本契約に関する一切の紛争は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する

上記契約の成立を証するため、本契約書2通を作成し、甲乙各1通を保有するものとする。

令和〇〇年〇〇月〇〇日

甲住所

乙住所

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顧問契約書 印紙

 顧問契約には印紙が必要となるのでしょうか?

顧問契約は印紙税額一覧表第7号文章「継続的取引の基本となる契約書」として4,000円の収入印紙を貼付しなければいけません。

印紙が必要となる契約は国税庁のHP
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/zeigaku_ichiran_r0204.pdf に記載されています。

顧問報酬(顧問料)の相場

 経営コンサルタントの顧問の相場は20万〜50万円のレンジが多いようです。金額は従業員数によっても変化します。

 税理士の顧問料の相場は年商によっても変わってきますが、月額2万円~5万円あたりが多いようです。行政書士の顧問料の相場もおおむねそういったところです。

 社労士の顧問料はかつて社会保険労務士会が一律に報酬額を決めていた時代がありました。現在では自由化されていますが、今でもかつて決められていた報酬額に沿って金額設定する例が多いようです。

 具体的な金額は下記となります。

従業員数4人以下5~9人10~19人20~29人30~49人50~69人70~99人
報酬月額2万円3万円4万円5万円6万円8万円10万円
従業員数100~149人150~199人200~249人250~299人300~349人350~399人400~499人
報酬月額13万円16万円19万円22万円25万円30万円35万円

   従業員数500人以上の場合は別途協議となります。

岡高志行政書士事務所の顧問サービス

 顧問契約書の書き方について、述べてまいりましたが、岡高志行政書士事務所も顧問サービスを提供しております。月額で顧問料をいただく形式です。顧問料については、業務量を勘案しつつ決定させていただきます。

行政書士 顧問契約 対象範囲

各種契約書作成 、 契約書レビュー 、許認可・認証取得サポート、トラブル発生時の法務窓口や法務相談、社内のコンプライアンス検証、社内研修の企画・実施、外国人雇用に関する相談業務、入札参加資格申請に関する情報提供、公職選挙法アドバイザー、選挙コンサルティング、SNSなどPR支援、など。

顧問契約をご希望の際は、チャットボットにてご相談くださいませ。

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岡高志個人として、東京都中小企業振興公社の登録専門家でもあります。お特に専門家として派遣を受けることも出来ます。ぜひご活用ください。

参照: 東京都中小企業振興公社 専門家派遣事業

まとめ

 いかがだったでしょうか?

 顧問契約は大きな契約となりますが、契約内容を間違えると大きな損失になるリスクもあります。

 もし、契約書作成に不安があるようでしたら、岡高志行政書士事務所へ 契約書作成 をご依頼ください。
 内容やページ数に応じた行政書士報酬の見積もりをチャットボットにて自動提示いたします。

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おまけ~業務範囲が争われた判例~

 東京地裁平成25年1月22日判決

 税理士と顧客は契約書を交わさず顧問契約を締結していたところ、顧客内で利益を過大に計上する不正経理がされていたため、6,000万超の法人税等の余計な支払いが発生しました。

 本件は顧客が税理士に対して顧問契約に基づく善管注意義務に違反し、不正経理を是正せずに税務申告手続きをしたため、過大な法人税などを支払わなければならなかったとして、債務不履行に基づく損害賠償請求を求めた事件です。

 一方、税理士側は原始資料に基づき仕訳伝票をチェックする業務は今回の委任契約には含まれないと反論しました。

 裁判所は今回の顧問契約の内容に「会計顧問の業務」が含まれていたと認定したうえで、業務範囲について一般的に範囲規定されているわけではなく、業務範囲は当事者間の合意によって個別に決定されるものとしました。

 つまり、会計顧問であることを理由に、直ちに、原始資料に基づき仕訳伝票をチェックする業務が委任業務に含まれていたということはできず、今回の合意の内容によって業務範囲が決まるとしました。

 その上で、実際の業務の流れは、

①顧客側で原始資料から仕訳を行い

②税理士側が仕訳伝票を受け取って会計帳簿の記帳代行、財務書類及び税務書類の作成を行う

というフローで行なっていたため、今回の顧問契約には①の原始資料からの仕訳業務については契約の業務範囲として合意していたものと推認できず、更に、顧客が税理士に原始資料を預けることがなかったこと、税理士が原始資料を確認しないことに異議を申し立てたことがなかったことから、税理士と顧客間で原始資料から仕分けを行う業務についての合意があったとは言えないとされました。

 上記の理由から顧客が作成した仕訳伝票や仕訳データの基となった個別の取引の実在性、個別の資産あるいは負債の実在性等を原始資料に当たって精査する義務は、今回の顧問契約において税理側に課されていた善管注意義務の範囲にないとされ、本件は顧客側の訴えが退けられることとなりました。

 結果的には税理士側が勝訴しましたが、このケースでは訴訟まで発展してしまい、顧客との関係や全体のレピュテーションが損なわれた点、訴訟対応にあたり大きな労力、時間がかかった点で、大きな損失があったといえるでしょう。

 顧問契約を結ぶ際は書面で業務範囲をしっかりと定め、後々のトラブルをなるべく起こさないようにしましょう。

おまけ② 〜委任契約の民法条文〜

(委任)

第643条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

(受任者の注意義務)

第644条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

(復受任者の選任等)

第644条の2 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。

2 代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う。

(受任者による報告)

第645条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

(受任者による受取物の引渡し等)

第646条 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。

2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。

(受任者の金銭の消費についての責任)

第647条 受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

(受任者の報酬)

第648条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。

2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。

3 受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

一 委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。

二 委任が履行の中途で終了したとき。

(成果等に対する報酬)

第648条の二 委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。

2 第六百三十四条の規定は、委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合について準用する。

(受任者による費用の前払請求)

第649条 委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。

(受任者による費用等の償還請求等)

第650条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。

2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。

3 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。

(委任の解除)

第651条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。

2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。

二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)を目的とする委任を解除したとき。

(委任の解除の効力)

第652条 第620条の規定は、委任について準用する。

(委任の終了事由)

第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。

一 委任者又は受任者の死亡

二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。

三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

(委任の終了後の処分)

第654条 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。

(委任の終了の対抗要件)

第655条 委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。

(準委任)

第666条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

以上いかがでしたでしょうか。契約書作成、契約書レビュー ご希望の方は、 
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