マサチューセッツ工科大学とともに、産学連携の取組を学びたかったのですが、今回の視察スケジュールにはいれることができませんでした。なので、移動途中の記念撮影どまり。
セーラム市役所
セーラム市長を表敬訪問
Kimberley Driscoll 市長を表敬訪問。
Kimberley Driscoll 市長は、2006年に市長に就任して今、50歳。パワーのある若手女性市長です。
民主党の市長ですが、まもなく、投票日となる大統領選挙については、実に恥ずかしいものだとコメントされまして、投票率が下がるであろうことを憂慮されてました。
ちなみに、市長選挙の投票率はおおむね70%程度だそうです。日本で投票率は、国政が地方を上回るのが通常なので、彼我の差を感じました。
アメリカ大統領選挙は、ヒラリーvsトランプという、どちらも不人気な候補者が、双方の非難合戦を展開しています。あまりに、トランプ氏の発言が大統領候補にふさわしくないとして、消去法でクリントン支持が高まっていたのが、この頃です。
4年に一度の大統領選挙の盛り上がりを楽しみにしていたアメリカ視察ですが、この1週間で選挙戦を実感することはありませんでした。
セーラム市内のハイスクール
Salem Academy を視察しました。詳しくは、別のブログにまとめました。
船の時代の展示、
日本の歴史的な展示、
ボストンも拠点に活躍している日本人現代アーティスト、スプツニ子さんの展示、
幅広に展示されたすごしやすいミュージアムでした。
魔女伝説が息づく街でもありまして、魔女関連のミュージアムやショップが点在しています。そして、なんといっても季節は
ハロウィン
本番はまだ先ですが、ハロウィンのデコレーションやコスプレが目につきます。Peter Dolan さんも気合いの入ったコスプレをされるそうで、夫人のErinさんにも当日まで知らせないそうです。
こんな記念の看板もありました。
ボストン空港にあった、インフォメーションが面白かったです。
人の形の透明なパネルに後ろからガイドの動画を投影してアナウンスを流すと、人間的でいいですね。
ニューヨーク New York
NYC Department City Planninng
CLAIR(クレア)一般財団法人自治体国際化協会ニューヨーク事務所
日本の自治体の海外事務所です。特に、ニューヨーク事務所ではアメリカの最新事例についての数多くのレポートを作成されています。
ニューヨーク市の都市計画部と、日本の自治体のニューヨーク事務所とで、ニューヨークの都市計画についてお話をうかがいつつ、現地視察を行いました。
少子高齢化に悩む東京とは異なり、ニューヨークでは、人口増加が続いていて、新規開発の勢いが旺盛です。
マンハッタンはこれでもか!っていうくらいに、高いビルが立ち並びます。
日本と比べると、機動的な都市計画 city planning がなされていると感じます。変化に即応して、街のイメージを作る、オープンにして地域住民とのワークショップを持ち、決定プロセスに進んでいく。
さて、ビルの建設が進む中で、容積率の緩和がなされています。
affordable housing をいれれば、容積率を緩和されます。affordable housingは、ときどき日本語で低所得者住宅と訳されてしまいますが、中所得者向け住宅というべきでしょう。
ニューヨークの家賃はとにかく高く、マンハッタンだと30万円程度。年収1,500〜2,000万円くらいないと負担できません。ウォール街の金融系、弁護士、googleなどのIT系でないとそんなには稼げないよねというのが、現地ガイドさんの弁。家賃を無償にするわけでなく、30万円が半値になる、15万円は負担しなければならないから、低所得者のイメージとは重ならない。低所得者に対しては、公営住宅で対応されています。
高所得者と中所得者がミックスされた住宅に悩ましさを区議会議員一同感じました。ニューヨークらしく、所得が低くてもアーティストなどのようにセンスのある人が住まうのであるとの説明を理解しました。
ニューヨークの家賃は東京の倍。不動産以外の物価は5割り増し、と感じます。
1人あたりGDP(1$=100円で概算)は、
東京 410万円に対して、
ニューヨーク州 660万円
マサチューセッツ州 630万円
国レベルでは、
日本 320万円
USA 550万円
経済水準の差は歴然とありまして、
日本経済の弱さを改めて実感します。
1人あたりの指標がここまで弱いと、日本経済の低迷は人口減だけでは説明できませんね。
戻りますが、affordable housingの充実は、2014年に就任したデブラシオ市長の主要政策のひとつです。ニューヨークでは、久しぶりの民主党市長として、格差縮小に取り組む姿勢が強いです。クレア(自治体国際化協会)レポート(2015/6)では詳細に解説されています。
ブロードウェイ
タイムズスクエアから、ブロードウェイを見学。ブロードウェイの歴史をうかがいつつ、New Amsterdam Theatreを見学。不況で、ニューヨーク市に差し押さえられましたが、今はウォルトディズニーが賃借して、好調のようです。
仕込みのストリートアーティストがパフォーマンスをしています。
街全体がステージという設定での観光バスなのでしょうか。地下鉄の構内だけでなく車内でもパフォーマンスする人がいたり、ニューヨークには、アートが根づいていると感じます。
JFK空港の騒音対策部署
The PORT AUTHORITY of NY & NJ
Environmental & Noise Programs Aviation Department
Noise Office Manager である Adeel Yousuf さんから、JFK空港など近隣5空港の騒音対策についてうかがいました。
近年、騒音に対する住民からのクレームが増えており、騒音対策の充実されています。
15分遅れで、飛行機の飛行データや騒音データが開示されます。
データを公開した上で、周辺住民との意見交換の場 community roundtable を設定しています(まだスタートしたばかりで、頻度や参加者の範囲は検討事項。)
レクチャーいただいた後は、空港内をバスで案内していただきました。
滑走路のそばまで行きまして、飛行機の離着陸の迫力を楽しみました。これもまた、住民との信頼関係構築のひとつとなることでしょう。
以下、
ニューヨークの市内視察の様子を写真を中心にご報告。
マンハッタン周辺地図
DUMBO エリア
(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)
メリーゴーランドがランドマーク
オシャレなショップも集まっています。
Hunters Point エリア
新築ビルには affordable housingを含みます。
1ヶ月の料金が$160、自転車込みで$190
自転車含めた通勤にも利用可能な料金設定。マンハッタンに住むのは家賃が高いわけで、ブルックリン、クイーンズに住んで自転車とフェリーで通勤するのも合理的です。
周辺の公園は家族連れでにぎわってました。
Williamsburg エリア
寝そべれるベンチ、けっこうあります。
Williamsburg 橋の上から、
Williamsburg 橋から、マンハッタン側を。
茶色のビルは、公営住宅だそうです。
マンハッタン側の橋の下に、スケボーパークがありました。
South Street Seaport エリア
高架をくぐると、船が見えてきます。
素敵なレストランもあります。
ちょうど、4年前のハリケーンの際は壊滅的な被害を受けたそうですが、なんとか、持ち直しています。
ウォールストリートから、徒歩圏で、ランチタイムには、ビジネスマンでにぎわうようです。
The High Line エリア
北側の入口にある案内図を撮影。
つまり、高架の貨物線が廃線になって、荒れ果てて木が生い茂る状態になりましたが、散策路として、復活させているのが、ハイライン。高架を散策できるので、視野が広い散策路であるのが魅力。
(残念ながら、この日は、訪問最終日にして初めての雨でした。)
1999 年、高架鉄道の撤去に反対する近隣住民 2 人、Joshua David、Robert Hammond によって設立されたフレンズオブハイラインが運営を担っています。
まず、入口は、コンクリート舗装で、歩きやすく。
片側には、草が繁ってます。
ただの線路ではなく、ベンチも配して、憩いの場を形成します。
途中には、建設中の大きな商業ビル。
2009年にハイラインがオープンして以来、周辺には徐々に施設が整備されています。まだまだ、成長途上のエリアです。
歩いて行くと、もはや、線路跡もない場所もあり、鉄道好きのための散策路ではないなと納得。
コンパクトカーをプランターに見立てたアート作品
一時的にアート作品も配置されます。
ニューヨークといえば、アートですね。
メッセージ性のある壁面ポスターと観覧席。
時には、パフォーマンスもあるのでしょうか。
公式サイトでは、イベント情報も発信されています。
The High Line | Friends of the High Line
線路跡に生い茂る植物も
テーマ性をもって配置されたアート作品のようです。
ただ歩く のではなくて、
アートも楽しみながらの散策路。
時間がなかったので、Chelsea Market で離脱しましたが、まだ続いていきます。
(下の地図は公式サイトから引用)
ブロードウェイだけでなく、ハイラインも、affordable housingのような住宅政策も、アートが根づくニューヨークだから、様々な選択肢をもって推進できています。
まちづくりにおける、芸術振興の意義を強く感じた今回のニューヨーク訪問でした。