築地市場は大田区に移転したらどうなんだ?

築地市場を豊洲に移転する話が、小池都知事就任以来、論争を呼んでいまして、ついに、11月7日に迫った豊洲移転の延期を小池都知事は、8月31日に決断しました。来年1月中旬の土壌検査結果を検討するまで、判断を待つことになるから、まだまだ築地市場の問題は都政の重い課題であります。
2009年の都議会議員選挙で、旧民主党は豊洲移転見直しも掲げて大勝したんだが、なんだったの?というくらい、政治に翻弄されています。
豊洲の土壌改良も不十分

豊洲整備にお金かけすぎ

豊洲は仲卸業者にとって使い勝手が悪い(参照: 仲卸業を経営する地元区議会議員 渡部恵子さんのブログ

とても、豊洲移転は実現しそうにない。

でも、今の築地市場はとても老朽化が進んでます。築地市場は新しくしなきゃいけないのが、大前提。

さて、築地市場は、東京都の中央卸売市場のひとつであって、その統合・整理によって解決する方法が見落とされています。

現在、東京都には中央卸売市場が11あります。築地、食肉(芝浦)、大田、豊島、淀橋、足立、板橋、世田谷、北足立、多摩ニュータウン、葛西。
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築地
取扱数量(平成26年1日当り) 水産:1,676t青果:1,095t
敷地面積230,836m2. 建物面積285,476m2
食肉(芝浦)
取扱数量 食肉:353t
敷地面積64,108m2 建物面積94,398m2
大田
取扱数量 水産:33t青果:3,623t花き:288万本
敷地面積386,426m2 建物面積298,313m2
豊島
取扱数量 青果:360t
敷地面積23,334m2 建物面積20,281m2
淀橋
取扱数量 青果:881t
敷地面積23,583m2 建物面積40,067m2
足立
取扱数量 水産:67t
敷地面積42,675m2 建物面積26,354m2
板橋
取扱数量 青果:480t 花き:56万本
敷地面積61,232m2 建物面積51,378m2
世田谷
取扱数量 青果:163t花き:81万本
敷地面積41,482m2 建物面積65,302m2
北足立
取扱数量 青果:596t花き:57万本
敷地面積 61,076m2 建物面積77,823m2
多摩ニュータウン
取扱数量 青果:86t
敷地面積57,153m2 建物面積19,895m2
葛西
取扱数量 青果:496t花き:68万本
敷地面積74,515m2 建物面積59,396m2
大田市場が敷地面積最大でありますが、水産の取扱数量が微々たるもの。水産市場は築地、ということで、大田市場の存在感が弱いのですが、キャパシティはあります。

卸売市場を経由しない取引は増えてきていまして、そんなこともあって、築地市場の水産の取扱数量は、統計のある平成14年と比べて平成27年は68%に縮小しています。

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市場の縮小・統合も検討の価値があります。
築地市場は、大田市場に集約してはいかがでしょうか。
既存の市場に集約するのであれば、整備コストは最小化されます。豊洲新市場の建築面積は、119,000m2にすぎません。

築地市場は銀座に近い強みを発揮して、日本の食文化を支えてきたとのプライドがあります。豊洲に移転して、徒歩圏から離れてしまうのであらば、大田市場でもアクセスはさして変わらないのではないでしょうか。大田市場は、高速道路網へのアクセスも良いし、JR東日本が計画する羽田空港アクセス新線の線路も地下に通ります。
そもそも、空港に近いのは物流上での大きな強みです。
都民負担を過大にしないためにも、大田区から代替案を提起してまいります。

ちなみに、築地の場外市場はどちらにせよ、そのまま残りますから。


【ご参考】築地市場移転の経緯

昭和60年代に入り、施設の老朽化・過密化が著しくなったため、築地市場の再整備事業を推進することとし、仮設施設等を建設しました。しかし、工期、建設コスト、基幹市場としての機能維持の視点から見直しを行うことし、「現在地再整備」と「移転整備」を比較検討の結果、平成11年(1999年)11月、移転整備へと方向転換することとしました。そして、狭隘化が著しく、流通環境の変化に対応できない状況等から、平成13年(2001年)12月に策定した第7次東京都卸売市場整備計画において、豊洲地区に移転することを決定しました



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