大田区の民泊条例案の概要を徹底解説

【追記: 2016年1月12日】
民泊条例関係はいくつかの記事を書きましたが、本当にまとまっているのは、最新の
民泊条例: 具体的な規制はどうなるのか?厚生労働省の検討は?
こちらもご参照ください。

大田区の民泊条例案の概要が示されまして、
13日〜26日までパブコメを受付けています。

先日の東京・大田区で民泊ひろがる!に引き続き、民泊条例を解説します。
そもそも民泊は国家戦略特別区域法の旅館業法の特例。
国家戦略特別区域法13条の規定に従うことになりまして、

民泊とは法律的には、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業とされます。

旅館業は 許可事業ですが、区の認定によって事業ができるようになります。
そして、大田区の民泊条例案の概要で示されたのは

  • 滞在期間は 7日以上
  • 大田区に立入検査権を付与
  • 周辺住民に対する苦情窓口設置

の3点のみ
民泊の要件は、国家戦略特別区域法施行令に定められています。
現在、グレーゾーンにあるとされる民泊施設を大田区では、合法な事業活動として認められることになります。
国際空港に近い立地なので、新規参入者も期待できるでしょう。



国家戦略特別区域法などとあわせて従来の旅館業規制も以下引用しておきます。
国家戦略特別区域法13条

国家戦略特別区域会議が、第8条第2項第2号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業
(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法 第2条第1項 に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。)
を定めた区域計画について、
第八条第七項の内閣総理大臣の認定を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、
当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(特別区にあっては、区長。)の認定を受けることができる。
2  特定認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書及び厚生労働省令で定める添付書類を都道府県知事に提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二  その行おうとする事業の内容
三  前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
3  都道府県知事は、特定認定の申請に係る事業が第1項の政令で定める要件に該当すると認めるときは、特定認定をするものとする。
4  特定認定を受けた者(「認定事業者」)が行う当該特定認定を受けた事業については、旅館業法第3条第1項の規定は、適用しない。
5  認定事業者は、第2項第2号又は第3号に掲げる事項の変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の認定を受けなければならない。ただし、その変更が厚生労働省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
6  第3項の規定は、前項の変更の認定について準用する。
7  認定事業者は、第2項第1号に掲げる事項の変更又は第5項ただし書の厚生労働省令で定める軽微な変更をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
8  都道府県知事は、この条の規定の施行に必要な限度において、認定事業者に対し、認定事業の実施状況について報告を求めることができる。
9  都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、特定認定を取り消すことができる。
一  第9条第1項の規定による認定区域計画の変更の認定があったとき。
二  第11条第1項の規定により認定区域計画の内閣総理大臣認定が取り消されたとき。
三  認定事業者が行う認定事業が第1項の政令で定める要件に該当しなくなったと認めるとき。
四  認定事業者が不正の手段により特定認定を受けたとき。
五  認定事業者が第5項又は第7項の規定に違反したとき。
六  認定事業者が前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

旅館業法

第1条 この法律は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。
第2条 この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
2  この法律で「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
3  この法律で「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
4  この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
5  この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。
6  この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。
第3条  旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。)の許可を受けなければならない。
第4条  営業者は、営業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければならない。
2  前項の措置の基準については、都道府県が条例で、これを定める。
3  第一項に規定する事項を除くほか、営業者は、営業の施設を利用させるについては、政令で定める基準によらなければならない。

国家戦略特別区域法施行令 第12条

法第13条第1項 の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとする。
一  当該事業の用に供する施設であって賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの(「施設」)の所在地が国家戦略特別区域にあること。
施設を使用させる期間が7日から10日までの範囲内において施設の所在地を管轄する都道府県(特別区)の条例で定める期間以上であること。
三  施設の各居室は、次のいずれにも該当するものであること。
一居室の床面積は、25m2以上であること。ただし、施設の所在地を管轄する都道府県知事(特別区の区長)が、外国人旅客の快適な滞在に支障がないと認めた場合においては、この限りでない。
ロ 出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
ハ 出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。
ニ 適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。
ホ 台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。
ヘ 寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。
四  施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。
五  施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。
六  当該事業の一部が旅館業法 第2条第1項 に規定する旅館業に該当するものであること。

国家戦略特別区域法施行令 第12条は、次に示す旅館業法施行令と大部分が同じ内容になっています。

旅館業法施行令

第1条  旅館業法 第3条第2項 の規定によるホテル営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
一  客室の数は、10室以上であること。
二  洋式の構造設備による客室は、次の要件を満たすものであること。
一客室の床面積は、9m2以上であること。
ロ 寝具は、洋式のものであること。
ハ 出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
ニ 出入口及び窓を除き、客室と他の客室、廊下等との境は、壁造りであること。
三  和式の構造設備による客室は、次項第二号に該当するものであること。
四  宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
五  適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
六  宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシヤワー室を有すること。
七  宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
八  当該施設の規模に応じた適当な暖房の設備があること。
九  便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあつては、男子用及び女子用の区分があること。
十  当該施設の設置場所が法第三条第三項 各号に掲げる施設(「第一条学校等」)の敷地の周囲おおむね100mの区域内にある場合には、当該第一条学校等から客室又は客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるホール若しくは射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の設備の内部を見通すことを遮ることができる設備を有すること。
十一  その他都道府県(特別区)が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

大田区旅館業法施行条例

第4条 法第4条第2項の規定による条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。
(1) 営業施設については、次の換気措置を講ずること。
ア 換気のために設けられた開口部は、常に開放しておくこと。
イ 機械換気設備を有する場合は、十分な運転を行うこと。
ウ 客室内の空気中の炭酸ガスは、0.15パーセント以下とすること。
(2) 営業施設の採光及び照明は、次に掲げる照度を有するようにすること。
ア 客室、応接室及び食堂 40ルクス以上
イ 調理場及び配膳室 50ルクス以上
ウ 廊下及び階段 常時20ルクス以上(深夜(午後11時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、10ルクス以上)
エ 浴室、脱衣室、洗面所、便所等 20ルクス以上
(3) 営業施設については、次の防湿措置を講ずること。
ア 排水設備は、水流を常に良好にし、雨水及び汚水の排水に支障のないようにしておくこと。
イ 客室の床が木造であるときは、床下の通風を常に良好にしておくこと。
(4) 客室、応接室、食堂、調理場、配膳室、玄関、浴室、脱衣室、洗面所、便所、廊下、階段等は、常に清潔
寝具類については、次の措置を講ずること。
ア 布団及び枕には、清潔なシーツ、布団カバー、枕カバー等を用いること。
イ シーツ、布団カバー、枕カバー及び寝間着は、宿泊者ごとに交換し、洗濯すること。
ウ 布団及び枕は、適当な方法により湿気を除くこと。
(6) 客室には、次に掲げる基準を超えて宿泊者を宿泊させないこと。
ア ホテル営業、旅館営業及び下宿営業
1客室の規則で定めるところにより算定した有効部分の面積(以下「有効面積」という。)3平方メートルについて 1人
イ 簡易宿所営業
有効面積1.5平方メートルについて 1人
(7) 客室にガス設備を設ける場合には、次の措置を講ずること。
ア 宿泊者の見やすい箇所に、元栓の開閉時刻及びガスの使用方法についての注意書を提示しておくこと。
第6条 営業者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 客室の入り口には、室番号又は室名を表示しておくこと。
(2) 客室には、定員を表示した案内書、表示板等を備え付けること。
(3) 玄関帳場には、宿泊料を表示した案内書、表示板等を備え付けること。
(4) 営業施設には、営業従事者名簿を備え付け、規則で定める事項を記載しておくこと。
4) 客室は、次の基準によること。
ア 1客室の規則で定める構造部分の合計床面積は、政令第1条第1項第2号イ又は第3号に規定する面積以上であること。
イ 睡眠、休憩等の用に供する部屋は、窓からの採光が十分に得られる構造であること。

大田区旅館業法施行規則

第3条 省令第1条第1項の規定による申請書は、別記第1号様式による。
2 省令第1条第2項の規定により前項の申請書に添付しなければならない図面は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 建物の配置図、正面図及び側面図
(2) 営業施設の各階平面図
(3) 電気設備図
(4) 客室にガス設備を設ける場合にあつては、その配管図
(5) 換気設備図又は空気調和設備図
(6) 給排水設備図
3 前項各号に掲げるもののほか、第1項の申請書には、次に掲げる図面等を添付しなければならない。
(1) 営業施設を中心とした半径300メートル以内の見取図
(2) 法人の場合は、定款又は寄附行為の写し及び登記事項証明書

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