渋滞 ( 環7 中原街道渋滞 ) に オープンデータ

環7渋滞 中原街道渋滞 まちづくり・交通・環境・防災・防犯

中原街道の渋滞は、大田区の経済活動と市民生活に大きな影響を与えています。地域でオープンデータ活用に取り組む活動として、NPO法人Code for OTA を主宰している立場から、オープンデータを活用して中原街道の渋滞解消策を提案しています。リバーシブルレーンの導入や交通事故データの分析を通じて、渋滞の原因を特定し、効果的な対策を検討しています。これにより、交通の流れを改善し、安全性を向上させることが可能です。

オープンデータを活かして一般道の渋滞解消をしよう

 大田区で渋滞が特に発生している2路線①都道・環状7号線、②都道・中原街道について、オープンデータを活かして渋滞解消を検討してみたい。

①都道・環状7号線は、港湾部への大型車の移動のために渋滞が発生している。死亡事故はじめ人身事故も多く発生しており、なんらかの対応が必要な区間である。

②都道・中原街道は、西側に多くの高層住宅が開発されて人口が増加した川崎市武蔵小杉がある。近年、渋滞が悪化傾向にあり、早期の対応が求められる。

渋滞のリアルタイム情報はATISによって提供されています。

環7 by ATIS

中原街道 by ATIS

ATIS(Advanced Traffic Information Service、略称アテイス)交通情報サービスは、 東京都(警視庁)が主体となって、1993年に世界で初めて提供を開始した道路交通情報を含む 高度交通情報サービスです。

渋滞・事故情報ならATIS道路交通情報サービス
日本エンタープライズ株式会社のATIS - アティス道路交通情報サイトです。料金・ルート検索及び日本全国の高速道路・一般道路の渋滞情報、通行止め・事故・工事・規制情報、渋滞予測やサービスエリア検索、ライブカメラ情報などの道路交通情報を掲載し...

必要なデータ

・道路の制限速度に対する実際の運行速度
カーナビゲーションを運営する企業が区間ごとの運行速度データを保有している。ナビタイムジャパン、アルパインなど。ちなみにアルパインの本社は中原街道沿の雪谷大塚にある。

・交通事故発生状況
警視庁が事故発生状況マップとして提供しているが、データソースをオープンにしていない。

交通事故統計情報のオープンデータの活用

すでに、警察庁が「 交通事故統計情報のオープンデータ 」を提供しておりました。オープンデータマップをソースにしたオープンデータマップを横須賀市議 小林伸行さん が加工可能な状態で作成されていました。早速活用いたしました。
https://public.tableau.com/views/2019to2021_16612593934870/2
【追記:2023.2.15】

交通事故多発地点 大田区

環7、環8、第一京浜、中原街道といった幹線道路は交通量があるので、事故発生数が多いということが一目瞭然。

ときどき濃い色で特異点的なものがあります。

交通事故統計情報 オープンデータ

ズームしてみると、東邦医大通り。マチノマ大森、サミットストアの近く、保育園の前です。

交通事故統計情報 オープンデータ

さらにズームすると、5件の事故とその発生日も表示されます。

交通事故統計情報 オープンデータ

事故に注意しましょう!

データ分析により得られること

 道路の制限速度に対する実際の運行速度データによって、渋滞の時間・区間を分析することができ、リバーシブルレーンの導入や迂回ルートへの誘導といったソフトな渋滞解消手法が検討できる。また、短期間でその効果も検証できるため、政策評価も容易である。

 交通事故発生状況もGISデータで取得できると、渋滞情報と合わせて比較検証できるので、渋滞解消に取り組む道路の優先度を示すことができる。

 すでにGoogle Mapにおいては、リアルタイムの渋滞情報だけでなく、過去のデータから「曜日と時刻別の交通状況」が可視化できるようになっていて、説得力がある。Google Mapのレベルでも、道路管理者は主導的に慢性的な渋滞箇所を抽出して対応することが可能であろう。

環7渋滞 中原街道渋滞

リバーシブルレーン

 ソフトな渋滞解消策のひとつとしてリバーシブルレーンを取り上げている。リバーシブルレーンについては、東京都で実施例はあるが、それぞれ区間は短い。最も長い路線は、中原街道(品川区)である。中原街道(大田区)へ延長することがひとつの解決策と考えられる。

 区間ごとの道路の制限速度に対する実際の運行速度データを精緻な分析をしたならば、リバーシブルレーンは長く設定できるのではないか。リバーシブルレーンを採用することに消極的な理由の1つが事故発生ともいわれるので、交通事故発生状況も合わせて、リバーシブルレーン採用後の効果測定の要素にできる。

 近年の交通関連データが精緻に蓄積されてきたことで、古くからあったリバーシブルレーンが渋滞解消策として活用が見込まれるのではないでしょうか。

おまけ:川崎市の丸子橋交差点における中原街道渋滞緩和策

川崎市による中原街道渋滞緩和策に成果があったとのリリースがありました。(2023.2.28追記)

交通渋滞は、大きな経済的損失を招くとともに、環境の悪化や交通の安全性の低下など、市民生活や経済活動に大きく関わる問題であり、その解消は本市の重要な課題となっています。こうした中、本市では、市内交通の円滑化に向けて緊急渋滞対策を推進しています。この度、第3次緊急渋滞対策として、令和4年度に実施した丸子橋交差点の効果を測定しました。

川崎市 2023.2.21
川崎市 丸子橋交差点 中原街道渋滞 緩和

丸子中山茅ヶ崎を右折と左折のレーンに分離し、丸子中山茅ヶ崎の左折車と東京丸子横浜の右折車が同時に通行できる時間を新たに設けたこと等により、通行を円滑化を図った。

中原街道渋滞緩和策の結果、下図の通り、大幅に通過時間が短縮されています。

大田区内の中原街道も渋滞緩和を図りたいですね。

川崎市 丸子橋交差点 中原街道 渋滞緩和

おまけ2:奥沢バイパス石川台出口における渋滞緩和策

 環八から中原街道に抜ける奥沢バイパスの石川台出口は朝は信号左折に時間がかかって渋滞が発生しています。それも是正すべきだと思った私の都議選前のツイートも備忘に貼り付けておきます。

オープンデータとは、やや異なりますが、道路維持管理の通報を市民参加で行うスキームが大田区でも始まっています。こちらご参照ください。
「スマホでかんたん市民協働インフラ管理 MCR 大田区で」

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました