決算特別委員会総括質疑 2016.9.30 〜4年連続で100億円以上の歳入歳出差!

平成27年度決算についての決算特別委員会
今回は、会派を代表して総括質疑を行いました。
今回のテーマは、
財政運営、築地市場の大田市場への移転・統合、羽田空港跡地、平和島ユースセンター、スポーツ施設の充実、介護保険、子どもの貧困、パチンコ税の導入

以下、文字おこし。

◎財政運営全般 について
平成27年度の一般会計決算では、歳入総額約2,573億円、歳出総額約2,447億円。差引126億円の歳入歳出差があります。

4年連続で、100億円以上の歳入歳出差が生じています。実は、23区の中で、わが大田区だけです。さまざまに理由はあるかもしれませんが、大田区だけが大きくお金が余っています。

総務省によれば、地方税は自治体の行政サービスを賄うための財源であり、その地域に住む住民などが広く共同して負担しあう地域社会の会費としています。

【Q】年度会費として納めたのだけど、区があまり動かない、使わないでため込んでます。というのでは、納税者たる区民の不満は募ります。

区長はどのように考えていますか?

※ 2分ごろから松原忠義区長に対して質問しましたが、厳しい質問なのでスルーして担当部長に答えさせるという残念な対応でした。

かねがね、私が指摘していますが、社会福祉法人が利益を積み上げて内部留保をため込んでいる問題があります。

使わないでお金をため込んで、その内部留保はどこに消えるのか不安という点で、似たような状況ともいえます。

【Q】積極的に補正予算を計上して、区民福祉の向上を図る。さもなくば、減税といった形で納税者に返還していただきたいが、いかがでしょうか?

◎築地市場の大田市場への移転・統合 について

今月、東京都民の話題の中心にあり続けたのは、築地市場の移転問題であります。移転先であった豊洲市場の土壌汚染対策が十分でないと事実が明るみにでて、築地市場の移転がストップしています。

そこで、築地市場を、われらが大田市場へ移転・統合するべしとの代替案が浮上して期待を集めています。

築地市場が大田市場に統合されると、大田市場の存在感はますます大きくなり、大田区の産業にとっても好循環が期待でき、有力な観光名所ともなります。

【Q】大田区として、築地市場の大田市場へ移転・統合案についてどのように考えられますか?

◎羽田空港跡地整備 について

7月に行われた事業者向け説明会によれば、羽田空港跡地整備の事業手法は大田区から民間企業への50年の定期借地によることが示されています。

せっかく大田区が空港跡地を取得しても、その土地の利用権を超長期で民間企業に引き渡してしまう。

納税者の立場から質問します。
【Q】大田区の土地取得費用は、借地権をもつ民間企業からの収入で満たされるものでしょうか?

土地区画整理事業の事業概要によれば3.9haの保留地の対価は 82億円

今回の対象地は 5.9haなので、

大田区の土地取得費用は 124億円と推計される。

50年の借地料を現在価値に割引いたプレゼントバリューが、124億円を確保されることを最低でも期待したい。

もし124億円を下回るならば、大田区を経由しないで、国から直接民間企業に借地すればいいのではないか。

平成22年の羽田空港跡地まちづくり推進計画において、第1ゾーンは、主に大田区が過去の経緯を踏まえて取得する方向で検討する。とあります。

あくまでも取得する方向で検討ですから、 大田区が取得しないで直接国が民間企業に貸しても構わないのではないでしょうか。

◎平和島ユースセンター について

平和島ユースセンターは青少年の合宿施設として長きにわたって大田区民に愛されてきた施設です。昨年度、平和島ユースセンター整備基本調査を行った。
【Q】どういった現状を踏まえて、何を調査したのか?

【A】築後30年を経過したので、大規模改修の必要性を検討するべく調査をしたが、まだ30年間の長寿命化が可能であるとの結論を得た。青少年健全育成施設という機能を維持つつ、多世代の人、および、区内外のアスリート、青少年が利用できる宿泊型施設とすることを基本コンセプトに、現在、基本構想の作成を行っている。

先の羽田空港跡地と比較するとあまりにも小規模な施設にいろいろな要素を盛り込むのは違和感があります。

スポーツ施設としての魅力を向上させるべきです。

オリンピックレガシーとして、フィジカルトレーニングの設備を設置する!

夏の合宿施設としての人気があるんだから、体育館にクーラーを入れる!

そうしたところに施設改修費用を選択的に投下するべきです。

◎スポーツ施設の拡充 について

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてスポーツ施設の拡充を!

区の野球場やサッカー場の稼働率が50%程度でありますが、テニスは8割稼働。それだけニーズがありますから、テニス場の増設も検討していただきたい。

しかしながら、土地の確保が容易ではない現状です。

そこで、提案しますのは、連続立体事業が完了した京急電鉄の高架下に壁打ちテニスなどができるスポーツレーンを整備してはいかがでしょう。

【Q】高架下は空間が広いので、ボールを使った球技施設の立地にも適しています。高架下の地権者は京急電鉄ですので、大田区と連携してのスポーツレーン整備を要望してはいかがでしょう?

【A】京急の土地利用計画や区民ニーズを把握し、京急の意見を聞きながら、調査・研究をしていく。

◎蒲田駅西口の自転車対策 について

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蒲田駅の西口には、自転車が駐車できないように、ロープがはられて、ひと昔前に比べるとかなり自転車の数が減ったと評価いたします。しかし、東急プラザのそばだけ、駐車されています。東急プラザを利用するために駐車しているとも聞きますので、東急が自転車駐車場を自ら整備するようにと、要望します。

◎介護給付適正化 について

介護保険会計が年々増加する中、給付費の増大を抑えていく必要もある。そのため、適正化の取り組みは重要と考えます。

なかでも、ケアプランの点検が有意義であり一層充実するべきです。過剰なケアプラン、満足度の低いサービスなど、きちんと点検するべき。住民にとって必要なサービスを提供する適正な介護事業を確保できるよう、職員体制も含めて、しっかり指導されたい。

【Q】ケアプランの点検の現在の体制と実績そして、今後の方向性をお示しください?

大田区の居宅介護支援事業所は175件程度あります。そのくらいの件数を対象にケアプラン点検を実施してほしい。

◎子どもの貧困対策 について

子どもの貧困は、ひとり親家庭において発生率が高いと言われます。

● 離婚時の養育費の取り決め

離婚によるひとり親世帯であれば、離別した親が養育費を負担することで、経済的な下支えとなります。
厚生労働省の調査によれば、平成18年時点の調査で、
養育費の取り決めをしているのは 38%、
そのうち文書ありが 63%なので、
全体の 24%程度です。
養育費をもらっているのは、全体の2割に満たないと調査結果にあります。
2012年の民法766条の改正によって、離婚時に子どもとの面会交流、養育費の取り決めについて協議をすることが求められることとなっています。

離婚届にも、

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離婚届提出時に養育費の取り決めをしたかしていないかをチェックする欄がわざわざ設けられています。

【Q】離婚届提出時に窓口で養育費の取り決めをしたかしていないか確認して、取り決めが無いならば、何らかの相談窓口を紹介するなどの対応が必要と考えますが、いかがか?
【A】本庁・特別出張所の窓口で、養育費の取り決めをしたかしていないか確認をしている。まだ、取り決めをしていない人には、法務省リーフレットを渡す、相談窓口を伝えている。引き続き窓口における働きかけを徹底していく。

● ホームヘルプサービスの充実
離婚した後、ひとり親家庭の生活支援事業であるホームヘルプサービスは利用対象が限定的なこともあるのか、利用が少ないです。

大田区では、利用できるのは、病気や技能習得のための通学中などに限定されます。
他区では、ひとり親家庭となってから、3年以内は病気や通学などの事情にかかわらず、ホームヘルパーを利用できるなど、範囲を広くしている区もあります。 改善と充実を引き続き要望します。

● 地域庁舎内の連携強化
今月示された、大田区の子どもの貧困対策に関する計画の状況報告では、基本的な考え方のひとつに、妊娠期から高校卒業時の進路決定までを切れ目のない支援でつなぐとある。

これは重要であり、今までの体制では拾いきれないところに支援の手が届くものと期待します。
今年度スタートしたかるがも事業では、妊娠期から子どもをサポートする体制となっている。母親が子どもを育てる環境にあるのかも把握できる。
従前から実施されている、すこやか赤ちゃん事業もあります。超党派で構成される”子どもの貧困対策 東京議員懇談会”のメンバーとして、先月足立区役所で子どもの貧困対策担当部長さんのお話をうかがいました。
こうした新生児への訪問事業において子どもの生育環境を把握して、経済的な支援が必要なのか見極める機会とできることを認識しました。
健康政策部の地域健康課が主体となる、すこやか赤ちゃん事業で子どもの貧困が可視化されれば、福祉部の地域福祉課、生活福祉課につながって支援が始まります。
大田区では4つの地域庁舎、調布、大森、蒲田、糀谷・羽田、のなかに、地域健康課、地域福祉課、生活福祉課があります。この地域庁舎の3課の部を越えた連携が子どもの貧困という課題解決に有意義です。
かつては、地域庁舎に長が存在しており、連携がとりやすかったと理解する。
【Q】子どもの貧困対策の司令塔として、各地域庁舎に3課を統括するセンター長をおいてはどうか?
【A】しっかりと連携して、積極的な相談を行っていく。

● 都立高校との連携強化
先日、インターンの大学生らとともに、近くの都立高校を視察しました。生徒の半数は大田区民です。

そこで伺ったのは、学力考査なしに中学から進学してくる仕組みのため、学力が高校レベルに達しておらず、補習の負担が重い、学習障害やADHDなどの生徒の状態が中学から共有されていないため、適切な指導ができない、といった話が印象的でした。
高校卒業まで切れ目のない支援でつなぐならば、区内の都立高校と大田区教育委員会との連携も密にするべきと申し上げます。
● パチンコ税の導入
深刻な社会問題であるギャンブル依存症も子どもの貧困につながっています。
親がギャンブルで破綻した末路に、子どもの貧困があります。
子どもの貧困対策のための、財源としてパチンコ税の導入を改めて提言します。ギャンブルに投じたお金の一部が貧困状態の子どもたちを助けるために使われることになります。
本年第二定例会の区長答弁では、他自治体での法定外普通税の実例をお示しいただいた上で、法定外普通税につきましては、新たに税負担を強いるものであり、課税の目的や課税対象、負担公平等の観点から、慎重に検討すべきとのことでした。
子どもの貧困を助けるという課税目的は、社会的意義があります。ギャンブルを愛好する人、そして、事業者にも理解されると思います。

パチンコ税の積極的な導入をご検討ください。

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