いまさら聞けない個人情報保護法【番外編】政治・選挙・宗教・報道

行政書士 岡 高志 でございます。

個人情報保護法についてシリーズ解説してまいりまして、個人情報保護の必要性をお伝えしました。

政治・選挙・宗教・報道の場で、個人情報保護が軽視されている。
そのように感じますよね。

政治・選挙・宗教・報道 は個人情報保護法の適用除外

個人情報保護法第76条で、報道・大学・宗教・政治は個人情報保護法の義務を負わないこととされています。

(適用除外) 第76条 
個人情報取扱事業者等のうち次の各号に掲げる者については、その個人情報等を取り扱う目的の全部又は一部がそれぞれ当該各号に規定する目的であるときは、第四章の規定は、適用しない。
一 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。) 報道の用に供する目的
二 著述を業として行う者 著述の用に供する目的
三 大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者 学術研究の用に供する目的
四 宗教団体 宗教活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的
五 政治団体 政治活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的

公選ハガキは個人情報保護法違反

選挙になると、特定候補者への投票依頼のハガキが業界団体や町内会の名簿をベースに送られてくることありますよね。

一方で、 報道・大学・宗教・政治 に個人情報を提供した人は、目的外での個人情報の提供に該当します。

公選ハガキを提供される政治団体は、個人情報保護法の適用除外ですが、公選ハガキを提供した側は個人情報保護法の罰則に問われます。

それではあまりにも理不尽で、 報道・大学・宗教・政治の正当な活動を妨げてしまうことになります。そこで、個人情報保護法第43条で、報道・大学・宗教・政治への個人情報の提供に対して、所管庁である個人情報保護委員会は権限を行使しないとの規定があります。

(個人情報保護委員会の権限の行使の制限) 第43条 
個人情報保護委員会は、前三条の規定により個人情報取扱事業者等に対し報告若しくは資料の提出の要求、立入検査、指導、助言、勧告又は命令を行うに当たっては、表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由を妨げてはならない。
第2項 前項の規定の趣旨に照らし、個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者等が第76条第1項各号に掲げる者(それぞれ当該各号に定める目的で個人情報等を取り扱う場合に限る。)に対して個人情報等を提供する行為については、その権限を行使しないものとする。

罪である、しかし、罰しない。

公選ハガキの提供においては本人同意を

選挙のために公選ハガキによる個人情報の提供は罰せられませんが、違法ではあります。

個人情報の提供にあたっては、あらかじめ、本人同意を取り付けておくのが相応しいでしょう。もめることはありませんし、確実に票になるでしょうから。

候補者へいい顔をしたいがために、大量の公選ハガキを提供される人には留意していただきたいものです。