東京工業大学の大岡山キャンパスには原子炉工学研究所があります。
(所在地は目黒区です。)
2011年3月の福島原発事故以来、空間放射能モニタリングポストでの測定値を大田区に提供していただいてますが、原子力研究施設としての安全性について不安に思う区民の声も寄せられています。
私も議会質問で、現状確認をするようにと大田区に要望しておりましたが、直接、聞くなり、見るなり、する方が理解がよいと思いまして、
東京工業大学 原子炉工学研究所 有冨所長のご協力のもと実験施設を見学させていただくこととなりました。
せっかくの機会なので、他の会派の議員(公明党 玉川ひでとし議員、みんなの党 やなせ吉助議員)も含めて見学しました。
今回見学しましたのは以下の3つの実験棟
ニュークリア・セラミックス実験室
放射性同位元素実験室
広領域線質放射線照射実験室(写真の建物)
ご説明いただく中で、気づくのは
あくまでも大学の研究所である。
だから、学生が放射性物質を扱うので、失敗することもある。けれども、それで大きな事故を引き起こさないように、物質の量を抑えている。
原子力研究施設として、原子力規制庁の指導のもと安全管理を行っている。
放射性物質を扱うが、分厚いコンクリートの壁や、ブロックにより遮蔽をしており、実験施設内の空間放射線量も外部と同レベルである。
放射性物質の保管も分厚いコンクリートの壁で迷路の様に迂回して入室する保管庫で分厚い金属性のロッカーに一定量を上限として保管されていた。
(直進できないので、入口での放射線量は低く抑えられていた。)
室内は換気を行うが、フィルターを通じて外部に排気を行っている。
排水については、外部の貯留槽に集めて環境基準以下であることを確認して、下水道に排水する。そもそも、放射線量が高いわけでもないため、除去装置はない。
安全管理は徹底されており、少しでも火の手が上がったら、消防に通報することを徹底しています。
有冨所長がおっしゃるように、日本の原発を廃炉していくのに100年の年月を要する。そのためにも、安全性を研究し、人材を育成する機関は必要です。
また、科学の発展のために放射性物質を含めた物質研究は続けなければなりません。
原発に依存してきた日本のエネルギー政策は転換しなければならない。
いままでの、日本の優秀な研究者は原子力分野に多かったのですが、優秀な人材も少しずつ他の分野に転換していくでしょう。
転換する中で、新しいエネルギー分野の研究が進むことを期待しています。