特定複合観光施設区域整備法(IR整備法/カジノ設置法) 案が4月27日金曜日に閣議決定されました。
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ギャンブル依存症の実効的な対策には触れられていませんので
与党の議員提出のギャンブル等依存症対策基本法案を読み込みます。
こちらは、4章34条と読みやすい法案です。
総則 ギャンブル等依存症対策推進基本計画等 基本的施策 ギャンブル等依存症対策推進本部
以上の4章からなり、
国は官房長官を本部長とするギャンブル等依存症対策推進本部を組織、
国や自治体はギャンブル等依存症対策推進基本計画等を策定することになります。
基本的施策の内容に注目したいですが、
教育の振興等、ギャンブル等依存症の予防等に資する事業の実施、医療提供体制の整備、相談支援等、社会復帰の支援、民間団体の活動に対する支援、連携協力体制の整備、人材の確保等、調査研究の推進等
が項目として掲げられています。
すでに今も実施されてるようなことが並んでますから、踏み込んでない内容です。
計画レベルでしっかりしたものになるとも期待できないので、国会で活発に議論してもらいたいです。
でも、野党が国会審議にやる気を示してないのも困りもんです。
実態調査 が基本的施策に入っていることには期待します。
実態がわからないと有効な対策はできません。
違法な闇カジノやオンラインカジノ、さらには、オンラインゲームも調査対象にしてほしいです。
オンラインゲームはものによっては、射幸性があったり、依存性があります。
ユーザーが若年層が多そうであることも踏まえて、政策的対応は間違いなく必要です。
すでに政府がギャンブル依存症の論点整理を公開してますので、
下の私の記事もあわせて読んでいただきたいです。
[bcd url=“https://okatakashi.net/archives/792″]
与党の議員提出のギャンブル等依存症対策基本法案の概要です。
第1章 総則
第1条(目的)
この法律は、ギャンブル等依存症がギャンブル等依存症である者等及びその家族の日常生活又は社会生活に支障を生じさせるものであり、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、ギャンブル等依存症対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、ギャンブル等依存症対策の基本となる事項を定めること等により、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の健全な生活の確保を図るとともに、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。
第2条(定義)
この法律において「ギャンブル等依存症」とは、ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。
⇒ そういえば、違法な闇カジノやオンラインカジノへの視点が欠けてます。
宝クジもギャンブルに含めるべきです。
第3条(基本理念)
ギャンブル等依存症対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない
一 ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた防止及び回復のための対策を適切に講ずるとともに、ギャンブル等依存症である者等及びその家族が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるように支援すること。
二 ギャンブル等依存症対策を講ずるに当たっては、ギャンブル等依存症が、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題に密接に関連することに鑑み、ギャンブル等依存症に関連して生ずるこれらの問題の根本的な解決に資するため、これらの問題に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとすること。
第4条(アルコール、薬物等に対する依存に関する施策との有機的な連携への配慮)
第5条(国の責務)
第6条(地方公共団体の責務)
地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、ギャンブル等依存症対策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
第7条(関係事業者の責務)
第8条(国民の責務)
第9条(ギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者の責務)
第10条(ギャンブル等依存症問題啓発週間)
2 ギャンブル等依存症問題啓発週間は、5月14日から同月20日までとする。
第11条(法制上の措置等)
政府は、ギャンブル等依存症対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
第2章 ギャンブル等依存症対策推進基本計画等
第12条(ギャンブル等依存症対策推進基本計画)
第13条(都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画)
第3章 基本的施策
第14条(教育の振興等)
国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じたギャンブル等依存症問題に関する知識の普及のために必要な施策を講ずる。
第15条(ギャンブル等依存症の予防等に資する事業の実施)
国及び地方公共団体は、広告及び宣伝、入場の管理その他の関係事業者が行う事業の実施の方法について、関係事業者の自主的な取組を尊重しつつ、ギャンブル等依存症の予防等が図られるものとなるようにするために必要な施策を講ずる。
第16条(医療提供体制の整備)
国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症に係る専門的な医療の提供等を行う医療機関の整備その他の医療提供体制の整備を図るために必要な施策を講ずる。
第17条(相談支援等)
国及び地方公共団体は、精神保健福祉センター、保健所、消費生活センター及び日本司法支援センターにおける相談支援の体制の整備その他のギャンブル等依存症である者等及びその家族に対するギャンブル等依存症問題に関する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずる。
第18条(社会復帰の支援)
国及び地方公共団体は、ギャンブル等依存症である者等の円滑な社会復帰に資するよう、就労の支援その他の支援を推進するために必要な施策を講ずる。
第19条(民間団体の活動に対する支援)
国及び地方公共団体は、民間団体が行うギャンブル等依存症対策に関する自発的な活動を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
第20条(連携協力体制の整備)
第21条(人材の確保等)
国及び地方公共団体は、医療、保健、福祉、教育、法務、矯正その他のギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者について、ギャンブル等依存症問題に関し十分な知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上のために必要な施策を講ずる。
第22条(調査研究の推進等)
第23条(実態調査)
政府は、3年ごとに、ギャンブル等依存症問題の実態を明らかにするため必要な調査を行い、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。
第4章 ギャンブル等依存症対策推進本部
第24条(設置)
内閣に、ギャンブル等依存症対策推進本部を置く。
第25条(所掌事務)
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 ギャンブル等依存症対策推進基本計画の案の作成及び実施の推進に関すること。
二 関係行政機関がギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づいて実施する施策の総合調整及び実施状況の評価に関すること。
第27条(ギャンブル等依存症対策推進本部長)
本部の長は、ギャンブル等依存症対策推進本部長とし、内閣官房長官をもって充てる。
第33条(主任の大臣)
本部に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
写真は、視察で訪問した韓国賭博問題管理センターのエントランス