視察:アメリカの公教育におけるインクルーシブ教育〜セーラムアカデミー

セーラム市の公立ハイスクールであるSalem Academy を視察しました。
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一同、スクールバスに乗って出発です。

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校長先生と、大田区を訪問した経験のある高校1年生の女子生徒から学校のご説明をいただきました。
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Salem Academyは、6年生〜12年生までのチャータースクールです。
チャータースクールは、普通の公立校と私立校の中間のような制度です。普通の公立校は、自治体の教育委員会が運営していますが、チャータースクールは税金によって運営されていますが、州に認証(チャーター)された運営委員会が運営を行います。
 2009年に初めて卒業生を送り出してから、2012年には、マサチューセッツ州のベストチャータースクールと呼ばれ、州内の高校ランキングで5本の指に入るようになりました。  
中高6〜12年までの400人の生徒がいまして、教職員70人。生徒9人に1人の教員が設置する基準です。ひとクラスの生徒数は、18〜24人。
学校のミッションは、大学進学で、 REACH for College というメッセージが共有されています。ちなみに、REACHとは、Responsible 責任、Emphathetic 思いやり、Assertive 自信、Coorperative 協働、Honest 正直といった意味が込められています。  
大学進学は、さまざまな所得、人種、宗教の子どもたちが集まる普通のハイスクールでは、困難も生じることもありまして、当校では、大学進学を重視しています。 大学進学率は、95% ととても高い水準にある。残りは、働く人や、兵役につく人がいます。 ちなみに、セーラム全体での大学進学率は70%程度。進学率の高い地域です。  
公立校には、さまざまな所得、人種、宗教の子どもたちが集まるので、教育面について懸念されていることが、チャータースクールが求められる理由です。 
同席していただいた大田セーラムクラブのメンバーからは、教育方法は公立校も当校もほとんど変わらないが、チャータースクールへの入学に際して、試験などはありませんが、学校の教育方針への理解と、指導に従うことを誓約していまして、従わない生徒は注意されて退学もあることで、生徒の質を確保しているとのことです。  
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12年生の英語の時間にお邪魔させていただいて、実際に生徒たちに当校の良さを聞いてみました。  
小さい学校なので、先生が、きめ細やかである。 
大学進学への具体的な方法も教えてくれる。    
といった声をうかがいました。


特別支援教室
4334E72C-FC51-4FB9-8D7B-D27F8770EF70.jpg特別支援教育の実態調査も今回の視察のテーマです。 

当校でも、学習障害、身体障害関わらず、障害児を受け入れています。 実際には、英語力の低いノンネイティヴの生徒も特別支援教育の対象になっています。 

普通教室では、2人目の先生が、障害児やノンネイティヴの生徒をサポートしています。  
2つ特別支援教室はあります。  
学習障害児だけ集めた授業もあります。  教育の雰囲気が当然ながら、日本とは大きく異なります。 


もっとも印象的なのは、始業に際して、先生が生徒を迎えいれて、ひとりひとりと握手して声をかけています。生徒のモチベーションも上がるのではないかと感じました。
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ちなみに、生徒たちに固有の教室ではなくて、先生ごとに教室が割り当てられています。
例えば、社会の先生の教室であれば、世界地図が貼られているなど、その教科のための情報がいっぱいです。教室の中のレイアウトは先生により異なっていました。
当然のように、ほとんどの教室に電子黒板が設置されています。
先生にとって教えやすい環境がそこにはあります。  

少人数のクラスで先生がコントロールできているので、普通教室に特別支援教育が必要な生徒もサポートできるインクルーシブ教育が実現できるものと理解しました。  

日本の学校とは違う環境であるから、インクルーシブ教育が浸透しているのかもしれません。

   
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Lunch Time
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カフェテリアも視察しました。 

11時過ぎは中学生のランチタイムで、お弁当を持参していない生徒は購入することができます。所得に応じて減免されます。
所得に応じて、支払う金額が変わるのは生徒のプライバシー侵害になるのでは?と懸念しましたが、後日、それぞれのクレジットカードアカウントで決済される仕組みで、給食を購入するに際して、給食費減免の事実は明らかにならないようです。 
ちなみに、朝食は無料で提供されるので、朝食を食べて来ない生徒も安心です。 

カフェテリアは、中学生からで、高校生のランチタイムが後回しになるため、高校の3時間目はスナック食べながらの授業が許されているそうです。 

学ぶことも大事ですが、食べることも大事。   
この点は、洋の東西を問いませんね。




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