JR東海の葛西敬之さん 〜 私の履歴書より

JR東海の葛西敬之さんが、日経の私の履歴書を連載されていて、興味深く拝見しています。
中堅職員でありながら、国鉄の分割民営化を取り仕切り、JR東海のドンとして多方面に今も影響を及ぼしている大物経済人/政治家です。
JR東海での肩書は名誉会長ですが、いまだに代表取締役であります。(1995年〜社長、2004年〜会長、2014年〜名誉会長)
労務管理畑での経験を受けての労働組合や労働党への敵愾心は強く表現されています。
国鉄を再生させるには過去を切り離すしかない。営業収入3兆円の85%は職員の給料支払いに消えてしまう。労務管理に対する政治介入のツケであった。適切な運賃値上げを政治が押さえ込んだ結果16兆円まで積み重なった借金は政府に背負ってもらう。
過去のことはともかくとして、
リニア中央新幹線についての見解は興味深いので、備忘のためまとめておきます。

振り返れば、私の鉄道人生は、常に新幹線とともにあった。

東海道新幹線の輸送力が限界に近づく中で、第二東海新幹線のインフラ建設は政府に委ねるにしても、
リニアシステムの開発は将来運行に携わる我々で、と考えた。


そこで、当社が自己負担1千億円で実用線の一部20kmを先行建設し技術開発を主導することを発想、運輸省に提起した。1千億円の政府予算化はバブル期でも不可能だ。
この呼び水が閉塞を破り、
山梨リニア実験線の建設計画は90年6月、運輸大臣の承認を受けた。


(東海道新幹線)1日の営業列車本数は当社発足当初(1987年)の231本から350本に増え、収入も1.6倍である。


東海道新幹線の旅客から得た収入は、リニア中央新幹線を通じて将来の旅客に還元されるべきだ。
これが2007年に中央新幹線の東京-名古屋間を自己負担で建設する決断をした大義である。


リニア中央新幹線建設のリスクは未然のものであり、回避可能である。
経済状況の変化、工事の進捗などに柔軟に対応し、健全経営と安定配当を堅持しつつ建設を進める方針である。