韓国 視察〜電子自治体、教育、仁川空港など

7月16〜18日の2泊3日の行程でソウル市内を中心に韓国の電子自治体の現場を視察してまいりました。
韓国は経済危機の後、大幅な効率化をはかるべく、大胆にICTを導入したと定評があります。
全般に、韓国の制度はもともと日本に合わせて構築されているので、比較しやすいと思います。
自治体の実情を知るべく、ソウル市北東部のノウォン区を訪問しました。

ノウォン区議会
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写真は、お忙しいところご挨拶していただいた
ノウォン区議会議員の金区議と、視察をご一緒した仲間である、熊本・合志市議 来海恵子さんと神奈川・横須賀市議 小林伸行さん。
ノウォン区は人口58万人でやや大田区より規模が小さいのですが、ソウル市で3番目の人口、最大の面積を誇る自治体ということで、大田区に近いものを感じます。
目立った産業はなく、マンションが立ち並ぶ街です。
議員は、21人。定数3の6つの選挙区、定数3の比例区で構成されています。
一人一人の議員に個室が割り当てられてあって、羨ましく思いました。
そして、議場

議席の様子は日本と違いまして、右の列は行政の説明員が座ります。傍聴席は近くて、野次も飛ぶそうです。
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電子自治体
ノウォン区デジタル広報課で電子化の実態をうかがいました。
職員の方は、みんなスマホを持っていまして、グループウェアになるアプリもいくつかありますし、区民もまたスマホアプリを活用しています。
そうやってICT化を進めようとすると、日本ではデジタルデバイドの問題が指摘されますが、
ここでは、行政による、初心者向け講座も実施されています。
わからない人がいるのであれば、教えてあげることも必要ですね。
韓国では、各種証明書を自動交付機で取得できるほか、自宅でもプリントアウト出来ます。
ちなみに、自宅でのプリントアウトは無料。
料金を徴収するべきとの意見もあったけれども、些少な金額のために制度設計することが無駄であろうと。
ICT化の理念として、行政の業務効率改善だけでなく、
区役所の窓口まで、区民が手間と費用をかけるのモッタイナイということであるから、
当然の帰結ですね。
他にも、区民がアプリを通じてできることは、
区役所への要望や政策提言、予算要望。
例えば、道路が陥没していたら、その場所で(もちろん、位置情報も添えて)写真を撮って送信して、区役所に対応してもらいます。
対応結果も、アプリを通じて返信されます。
そんなことしたら、区役所が大量のクレームでパンクするのでは?
との、疑問が出ましたが、
アカウントや位置情報など個人を特定できる状態なんだから、懸念はないそうです。
1階窓口です。建築関係の窓口は、これだけ。
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web上で申請するのが基本なので、窓口には来ないのです。
ほかの住民手続き窓口もこれだけです。
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証明書類は窓口で取らせないのが原則です。そもそも、証明書を発行するまでもなく、行政機関に対しては、13ケタの住民番号を伝えれば十分な手続プロセスにしてあります。
防犯管理センターが、警察当局と連携して設置されています。

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区内各所に設置された800台の防犯カメラをセンターにつないでモニターしています
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プライバシーよりも、治安を優先するのは、韓国の国民性でしょうか。
駐車違反や不法投棄などもここで監視しています。
図書館
ソウル市立図書館。もともとはソウル市役所だった建物です。
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新聞がタッチスクリーンで読めます。もちろん、検索も。
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ソウル市の電子自治体の推進は1999年から
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役所ないの決裁書類は、電子署名でネットワーク上で処理されます。
紙代の節約のみならず、プロセスの効率化により、公務員は他の仕事ができます。ノウォン区であれば、ケースワーカーなどマンツーマンでやらなければならない福祉分野に人材を投入しているそうです。
病院

アサン病院を視察。ベッド数2,700のアジア最大級の病院
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患者・医療機器の進捗がモニターされていて、売上効率最適化のためにICTが活用されています。
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手術室での手術の進捗もセンターで管理されています。
医療スタッフが現場でスマホアプリを使うことで可能になります。
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病院内に収録スタジオがあって、医療関係のプログラムが製作されて、病院内で患者向けに放映されるほか、DVDやwebで国内に配信されています。
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国民全体の健康に貢献したいとの気概がありました。
教育
教育の現場でもICT推進。
スマート教育のモデル校を視察しました。
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スマート教育は生徒が考える授業といいつつも、生徒たちの集中力はあまり高くなかったです。
塾通いが中心で、学校で勉強しないという、日本と変わらない問題があるようです。

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教室の四隅にプロジェクターが設置されるなど、機能的な学習環境は
LGがスポンサーになって実現されています。

English Village

ICTとは関係ありませんが、英語留学が体験できる施設。
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富裕な子女が海外に留学していく中で、遍く広く英語を学ぶ機会を作ろうと、
京畿道トップの意向で、施設が建設されました。
ある種のテーマパークです。
日本からの利用者もいます。
低所得者、道民、外部で価格設定は異なります。
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高速道路を走ってソウルから向かったのですが、
道路の速度標識がオープンデータになっていて
カーナビにも速度制限が認識されています。
カーナビで車の速度計測もできるため、制限速度を超えるとカーナビから警告が表示されます。
オープンデータの興味深い活用をみました。
そして、この地域は
北朝鮮との国境が、近いです。
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鉄条網の先は、中立地帯で、川の向こうが北朝鮮。
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国境近くの駅。これより北には、関係者しか乗車できません。
そこここに、軍の監視施設がある地域で、休戦中という緊張を感じました。
清渓川 チョンゲチョン
清渓川 チョンゲチョンは、高速道路の下に埋められた川を復活させたもの。
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今は、1日1,000万円分の水を流しています。
観光名所になる。見晴らしが良い。周辺の地価があがる。温度が下がる。
といった、プラスの効果が上がっています。

仁川空港
空港でもICTは活用されていて、タッチスクリーンのデジタルサイネージ。もちろん、4カ国語対応。
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各所に利用可能なコンセントが配置されて、携帯の充電ができます。100vも200vも対応されていますし、USB端子もあります。
携帯専用の充電ブースもありました。
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鉄道駅の近くには、映画館もありました。
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トランジットエリアでは、いくつかのショートトリップも案内されているほか、
充実した滞在が実現できる空間になっています。
トランジットエリアには、トランジットホテルがあります。
ちなみに、羽田空港国際線ターミナルにも、今秋、トランジットホテルがオープンします。
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ゆったりソファーラウンジや
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無料インターネット、
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無料マッサージチェアもあります。
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出国ゲートをくぐる前ターミナル4階には、中世の朝鮮王朝時代風の建物があります。
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門をくぐると、
オシャレな飲食店がありまして、国民にとっても楽しめる空間です。
さらに奥は展望台となります。
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ちなみに、羽田空港国際線ターミナルは、
屋外の展望台であるのに加えて、
様々なフラッグの飛行機が見渡せます。
以上、3日間の充実した韓国視察を終えて、羽田空港へと帰ります。
長文になりましたが、お付き合いありがとうございます。