中央リニア新幹線の公聴会 〜 巨大事業の公共性も事業性も理解できない

こんにちは。
大田区議会議員 岡 高志です。

先日6月29日に

国土交通省主催の中央新幹線品川・名古屋間建設工事に関する大深度地下の使用認可申請案件に係る公聴会に公述人として参加してきました

(長いので以下、「中央リニア新幹線の公聴会」
中央リニア新幹線の公聴会

JR東海が推進する中央リニア新幹線 品川-名古屋間は2027年開業を目指して計画されています。
ルートマップは、JR東海のサイトで公開されています。

品川駅からスタートして、品川区、大田区、世田谷区の大深度地下にトンネルが掘られます。
大深度地下の公共的使用に関する特別措置法に基づき、地上の地権者の承諾なく実施できる事業のため、周辺地権者からはリニア新幹線による影響を不安視する声が根強く残ります。
騒音、振動、電磁波、地下水への影響、活断層、そもそもの事業採算など…

新しく中央リニア新幹線が整備されても、地下を通過される住民に直接の便益は認めがたいものです。
ただただ心配が尽きません。

今年5月に開かれたJR東海主催の住民向け説明会で、私は疑問点を投げかけました。


釈然としない説明だったので、
中央リニア新幹線の公聴会に公述人として質疑・意見提示しました。

3つのポイントで中央リニア新幹線の公聴会で質疑しています。

今回の大規模な公共事業から生じる様々な不安を受忍しなければならない
工事周辺地域住民にとって、メリットは何かあるのか?

今回の大規模な公共事業から生じる様々な不安を受忍しなければならない
工事周辺地域住民にとって、
メリットは何かあるのか?

地上に鉄道建設する場合と比較すると、住民の移転が無いこと、工事の騒音が無いことがメリット

それは工事するJR東海のメリットでしかない。
住民にとってのメリットは考えてないのか?

名古屋まで1時間で移動できることで、東京大都市圏が拡大することが住民のメリットである。

工事周辺地域の住民のメリットではない。
工事周辺地域住民の利便性向上のために、
東海道新幹線の新駅を川崎市の武蔵小杉に作ってはどうか?

JR東海としてのメリットが無い。

公共事業の枠組みで進めていくのだから、JR東海側のメリットばかり主張していないで、工事で影響を受ける住民の立場も考えてください!

大幅な赤字事業を一民間企業が遂行できるのか?

5.5兆円のメガプロジェクトを一民間企業が継続できるのか?
工事や運行の事故で大損害が発生した場合に、住民にも含めて補償する力がJR東海に備わっているのか?

国土交通省交通政策審議会 陸上交通分科会 鉄道部会
第9回中央新幹線小委員会(2010年10月20日)にて
リニア新幹線費用対効果分析を行なっています。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000086.html

結論としての費用便益分析は

リニア新幹線の事業採算は、
品川–名古屋間 5.5兆円の総費用で、3.2兆円の総便益であって、
2.3兆円のマイナス!!
事業執行に不安はないか?

債務残高を5兆円にとどめて、健全経営、安定配当をする。

JR東海のドル箱路線である東海道新幹線の収益を赤字路線でしかない中央リニア新幹線につぎ込むことになる。
株主価値の毀損も心配されますが、株主への説明はどうされているのか?

東海道新幹線と中央リニア新幹線は一元的に経営すると説明して、理解は得られていると思う。

本当にJR東海の株主は、大規模な不採算事業を抱え込むことに納得しているのか??

東海道新幹線のリダンダンシーのために、中央リニア新幹線が本当に必要なのか?

東海道新幹線の災害リスクと、中央リニア新幹線への大規模投資と経済性は?

東海道新幹線は老朽化しており、長期に渡って運休して、取り替えなければならない。
そのため、二重系化する必要がある。

東海道新幹線を全面取り替えする具体的な計画は?

東海道新幹線の全面取り替えについて、現時点では具体的な計画はない。

東海道新幹線の老朽化対策として、2012年から10年間で3,000億円規模の工事をしている。
新幹線の運行は止めない。

東海道新幹線単体で強靭化に取り組んでいるから リダンダンシーは重視しなくてよいのでは。
震災、震災とリスクを煽っての過剰投資もいかがなものかと。

リダンダンシー(redundancy)とは、

「冗長性」、「余剰」を意味する英語であり、国土計画上では、自然災害等による障害発生時に、一部の区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全につながらないように、予め交通ネットワークやライフライン施設を多重化したり、予備の手段が用意されている様な性質を示す。

国土交通省 用語解説ページより

まとめ

以上、中央リニア新幹線の公聴会で質疑しましたが、
JR東海の説明の質の低さに困惑するばかりでした。
これだけの巨大事業であるのに、公共性の認識が欠如してる。
民間事業だというわりには、事業採算性を本気で考えていない。

中央リニア新幹線は断念すべきだ。

実際の質疑応答を3編の動画に収めてきましたので、ぜひご覧ください。