韓国視察報告【電子政府の現状 前編】 〜 韓国の進化を受けて日本でも自治体クラウドの導入や住民利便性の向上が進みそうです

こんにちは。
大田区議会議員 岡 高志です。

4月11日〜13日の3日間の行程で、韓国視察を
ギャンブル依存症対策地方議員連盟の有志7人で行いました。

視察テーマは大きく4つ

  • カジノとギャンブル依存症対策
  • 電子政府の現状
  • 平昌冬季オリンピックのその後
  • 仁川空港と経済特区のスマートシティ

3日間にたっぷり盛り込みまして、最終日は羽田空港から終電で帰宅しました。

電子政府の現状 前編

韓国の電子政府の概況をノウォン区役所でうかがいました。

韓国は経済危機の後、大幅な効率化をはかるべく、大胆にICTを導入したと定評があります。
全般に、韓国の制度はもともと日本に合わせて構築されているので、比較しやすいと思います。

韓国では、自動交付機で取得できる各種証明書がたくさんあります。

ちなみに、自宅でもプリントアウト出来て証明書になります。
自宅でのプリントアウトは無料。料金を徴収するべきとの意見もあったけれども、些少な金額のために制度設計することが無駄であろうと。
ICT化の理念として、行政の業務効率改善だけでなく、
区役所の窓口まで、区民が手間と費用をかけるのモッタイナイということであるから、
当然の帰結ですね。

視察したノウォン区は人口58万人でやや大田区より規模が小さいのですが、ソウル市で3番目の人口、最大の面積を誇る自治体ということで、大田区に近いものを感じます。
有志議員団で視察したのですが、代表者名が私だったので、大田区として歓迎いただきました。厚く御礼申し上げます。

ご説明いただいたデジタル情報課の会議室からは、
区内各社に設置されたCCTVからのリアルタイム映像をモニターできます。

設置されるCCTV 防犯カメラのサンプル

ノウォンカフェというサイトを2015年から開設しています。
住民意見を集約したり、政策提案を受け付けます。
政策提案では、基礎評価も区民が行い、主管部署が審査します。
実現する提案もあります。具体的にうかがったのは、学校の外壁をなくすこと、橋をかけること。
最優秀賞、優秀、奨励、努力賞といったインセンティブももうけています。

生活苦情を受け付けるスマートフォンアプリもあります。
こちらは、韓国全体で適用されまして、所管の担当公務員につながって処理されます。
こんなプロセス
①区民が苦情発見(街路樹、街路灯の故障、不法投棄、道路破損、など)
②区民が苦情申出
③担当公務員が苦情受付確認
④担当公務員が苦情処理
⑤申出者に処理結果を通知

大田区でもやれば?
といったことはたびたび議会で提起しておりますが、なかなか進みません。

国全体での電子政府推進の意識が違うのでしょう。

韓国は、セオル行政システム、という標準化された行政システムがあります。
2007年頃から、統合により運営開始されました。
市・区・郡の行政に対応して、
住民登録、地籍行政、車両行政、地域開発、内部行政、戸籍、地域産業、農村、民願、道路交通、災難災害、民防衛、上下水道、畜産、水産、山林、保健福祉、文化体育、といった様々な業務
人事、財政、税制、建築行政のシステムもカバーされています。

運営は、
中央政府が、プログラムの開発を担い、
地方政府は、ハード・ソフトの維持補修、運営を行います。

2010年の財団法人自治体国際化協会(CLAIR)レポートで高い評価とともに紹介されています。

http://www.clair.or.kr/down_file/news2.pdf
調査協力は、私が今回行った視察と同じe-corporation廉 宗淳(ヨム ジョンスン)さん。

ちなみに、日本の電子政府推進もその後、進化しています。
2014年3月 総務省 自治行政局 地域情報政策室が
電子自治体の取組みを加速するための10の指針 公表しています。

10項目は以下の通り、

  1. 番号制度の導入に併せた自治体クラウドの導入
  2. 大規模な地方公共団体における既存システムのオープン化・クラウド化等 の徹底
  3. 都道府県による域内市区町村の自治体クラウドの取組み加速
  4. 地域の実情に応じた自治体クラウド実施体制の選択及び自治体クラウド導入を見据えた人材育成・確保
  5. パッケージシステムの機能等と照合した業務フローの棚卸し・業務標準化によるシステムカスタマイズの抑制
  6. 明確なSLA(Service Level Agreement)の締結、中間標準レイアウトの活用等による最適な調達手法の検討
  7. オープンデータの推進に向けて、地方公共団体が保有するデータに対するニーズの精査及び推進体制の整備
  8. ICT利活用による更なる住民満足度向上の実現
  9. CISO(Chief Information Security Officer)機能の明確化等、情報セキュリティに関する人材・体制の強化
  10. チェックリストを活用した強力なPDCAの構築

総務省の自治体クラウドポータルサイトも参考になります。
全ての市区町村の情報システム経費(*)の一覧を示しているのも興味深いです。
* 2017年度当初予算ベースでの基幹系システム(住民情報・税務・国保・年金・福祉)及び内部管理系システム(人事給与・財務会計・文書管理)に係る整備経費及び運用経費
http://www.soumu.go.jp/main_content/000542618.pdf

大田区でも、2015年11月から、マイナンバー通知が始まりました。


マイナンバー関連の制度整備に力が注がれていましたが、今後、自治体クラウドの導入や住民利便性の向上が政治課題となることでしょう。

電子政府先進都市 ソウル市の未来

ちょっと長いブログになりましたので、後編へ・・・